雪さんすきすき日記
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2018年04月04日(水) 「LiEat」のこと

 今週は時間の経過がとても遅い。まるで、永遠に週末が来ないかのようだ。

 ゲームの方は、どうにも動的ゲームをプレイする気力が湧かない。どうやら、繁忙期に溜まった疲労が今になって押し寄せている様子。
 というわけで、こういうときはADVやRPGのような静的ゲームをプレイするに限るということで、「LiEat」(みわ しいわ氏製作)の一章「-嘘喰いドラゴンと朱色の吸血鬼-」をプレイ。
 詐欺師のレオ(通称)と嘘を食べるドラゴンのエフィーナが各地を旅して起きた出来事を描いた短編RPG集。全三章仕立てで、一章では吸血鬼伝説の残る街で起きた事件について描かれている。
 操作は移動とアクション、メニューで、戦闘もターン制のごく一般的なRPG。RPGとしての要素も薄く、どちらかというとADV寄りのシステム。

 嘘を食べるという設定とグラフィックの可愛らしさに興味を惹かれて購入したが、詐欺師のレオ(通称)と嘘喰いドラゴンのエフィーナという奇妙な組み合わせと不思議な信頼関係は、予想以上に面白い展開をもたらせてくれて、最後まで一気にプレイしてしまった。難易度は低いので、物語を楽しむ部分が大きかった。
 システムは、エフィーナの嘘を食べるという能力を活かした内容になっており、会話の中で嘘が出ると敵が出現。そして、敵の台詞から嘘か本当かを見抜き、嘘をついている敵を物理で倒すと物語が進行する。嘘を敵という形で視覚化して、戦闘で見抜くという発想はとても斬新で新鮮であった。
 物語の方は、情報屋として報酬を得るために立ち寄った街で起こる不可解な事件を、レオ(通称)の詐欺師としての聡明さで解決するところが実に痛快。そして、過去からの因縁に決着を付けたのが、エフィーナの嘘を食べる能力と、そして無垢な優しさというところに心を打たれた。また、エフィーナの他にもドラゴンが登場し、この世界でのドラゴンの立場など細やかに説明してくれて、世界観の理解の助けになる。この世界のドラゴンは、一般的な竜とは異なり人の形をしており、それぞれ特異な能力を持つが、人間の奴隷や見世物にされることもあり決して優位な存在ではない。この設定も独自性が高くて面白い。あと、さらっと種族の寿命差に触れているところは、やはりこの手の題材では避けて通れないところであろうと大きく頷く。そして、何といってもレオ(通称)のエフィーナに対する冷たい態度の中に垣間見える優しさがたまらなくてにやにやしてしまう。
 楽曲の物悲しい雰囲気もとても印象深い。タイトルからモノローグ、そして街に入ってからも優しくも悲しげな曲調が続き、世界観に浸る大きな役目を果たしてくれた。ラスボスの曲はエフィーナの痛々しい心情を反映しているようで、胸に響くものがあった。というか、最後であの曲はレオ(通称)の台詞と併せて卑怯だろうというくらい切なかった。
 ただ、WOLF RPGエディターで製作されているので、今プレイすると解像度の低さで文字やキャラ絵の視認性に劣るのが残念であった。キャラ絵は結構細かく描き込まれているのだが、そのままだと小さくて見え難いし、拡大するとドットが引き延ばされて絵柄が荒くなってしまうのがとても勿体ない。

 1時間程度でクリアできる短編だが、まだこの後に2章残っている。レオ(通称)とエフィーナがどのような物語を紡ぐのか、この一章をプレイして俄然期待が高まった。

 それにしても、種族差だけでなく身長差、聡明とおばか、支配的な関係の中に垣間見える優しさなど、様々なフェチ要素に満ちた作品でもある。その筋の人にはたまらないものがあるだろう。


氷室 万寿 |MAIL
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