雪さんすきすき日記
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2018年01月27日(土) 続々・「Enter The Gungeon」のこと

 11時頃起床。会社の機器の調子が悪かったので、ちょっと出社して直してきた。多分、これで大丈夫なはず。

 過去を始末できたので、「Enter The Gungeon」(Dodge Roll)の感想をここでまとめてみる。

 ガンジョンの最深部に眠る伝説の秘宝「過去を始末する銃」。悔やんでも悔やみきれない過去を持つ者達は、伝説の秘宝を求めて今日もガンジョンの試練へと挑む。
 この作品は、ローグライクの要素を組み合わせた全方位STGアクション。入るたびに構造が変化するガンジョンに潜り、ボスを倒して下の階を目指し、最深部にある過去を始末する銃を入手して、主人公の過去を修正するのが目的。
 操作は左スティックで移動、右スティックで銃の方向を操作、ボタンでショット、ドッジロール、武器の切り替え、アイテム使用、アクション、リロード。この中で独特なのがドッジロール。移動+ドッジロールでその方向に一定の距離を飛び跳ねるのだが、その最中は敵弾に対して無敵となる。弾幕アクション要素も多分に含むこの作品では重要な回避手段となる。
 ローグライク要素としては、入るたびに構造が変化するマップを始め、ガンジョン内で入手した銃やアイテムによる強化、店やその他のNPC等によるイベントが挙げられる。ただし、下の階に行くにはその手前に立ちはだかるボスを倒す必要がある。ボスは最下層を除く各階に3体ずつ用意され、そのうち1体がランダムで選ばれる。
 自機は体力制で、被弾すると体力が減り、無くなるとゲームオーバー。再挑戦するときには、それまで入手したアイテムは全て失う。

 何といっても銃を中心に構成された世界観がとても魅力的。先ずは自機の使用する銃だが、実在するものから仮想のもの、中には映画やゲームなど他の作品のパロディまで用意されており、性能も素直なものから癖のあるものまで多種多様であり、銃に対する大きなこだわりが伺える。そして、敵の容姿やガンジョンの設備など、あらゆる所が銃を題材にした意匠が組み込まれているのも、この世界観をより大きく広げている。更には、テーブルを立てて弾避けにする、シャンデリアを落として敵を倒す、トロッコに乗っての銃撃戦など、銃にまつわる数々のアクションもまた然りである。とにかく、銃という素材を徹底的に活かした世界観が、他の作品には無い独自性に輝いている。ジャンルは違えども、「ガンフロンティア」と同じくらい徹底した銃による世界観を感じられた。
 ゲームの難易度は総じて高め。ドッジロールの活用を前提とした敵の弾幕が多く、特にボス戦ではそれが顕著であり、攻撃と同じかそれ以上に回避が重要視された調整になっている。また、銃の弾数も初期装備以外が有限であり、弾薬を拾ったり買わないことには補充できない。さらに、銃の性能も癖の強いものばかりで、道中特化やボス戦特化なども全然珍しくなく、性能に応じて適確に使いこなす能力が要求される。加えて、アイテムの入手過程に大きな癖があるのも難易度を上げている要因となっている。アイテムは最初から全ての種類が宝箱や店で入手できるわけではなく、実績解除やNPCのイベント達成など特定の条件を満たすと武器やアイテムがアンロックされ、そこでようやく入手可能となるものが非常に多い。そして、後からアンロックされたアイテムの方が総じて性能が高い傾向にあり、意図的にアンロックを進めていかないと強力なアイテムが増えていかない。その上で、そのアイテムが入手できるかどうかは運次第であり、入手したアイテムをプレイヤーの経験でやりくりしてゲームを攻略していく辺りは正しくローグライクである。実際に、ゲーム開始直後にはクリアまでかなり絶望的な見通しだったのが、アンロックが進んで徐々に強力なアイテムが入手できるようになっていき、一度過去を始末したら最下層まで到達する頻度も格段に向上したことに、ローグライクとしての面白さを実感している。もちろん、時にはアイテムに恵まれないときもあるが、それもまたローグライクだと割り切ってプレイしている。
 道中以上に、ボス戦ははっきりと弾幕アクションの様相を呈している。ボスはラスボスを除く各階に3体ずづ用意されてその中の1体と戦うのだが、強さにはかなり差がありここでも運を試される。もちろん、ボスも容姿から攻撃まで銃を題材にした要素が多分に含まれており、世界観を大いに盛り上げてくれる存在となっているのがとても好印象。なお、ボスをノーダメージで倒すと、自機の体力の上限が増えるアイテムが入手でき、その後の攻略に大きく影響するので、序盤のボスでも、というか序盤のボスほど緊張感の高い戦闘となり、繰り返しプレイの漫然さを抑えているのは上手い作りだと思った次第。そして、被弾したときのがっかり感も半端ではない。
 道中は戦闘だけでなくNPC等によるイベントも発生する。NPCは最初はガンジョン内の牢屋に囚われており、それを救出することでイベント発生の条件を満たす。NPCは救出後はガンジョンの入り口でアイテムを販売(アンロック)したり、ガンジョン内でイベントを発生させたりと様々である。その他、様々な効果をもたらす石像なども登場して、ガンジョン攻略の支援をしてくれる。これらのイベントが発生するのはランダムであるが、その頻度が多すぎず少なすぎずでいい刺激となっている。あと、イベントによっては過酷な条件を要求するものもあるが、これもゲームを進めていくうちにちゃんと条件を達成できていることから、やはりここにもローグライクの面白さを感じ取ることができる。
 あと、世界観に合致した楽曲の数々も注目したいところ。オープニングデミからタイトルまでの曲がこの世界観を印象付ける実に渋いもので、この時点でぐいぐいとゲームの世界に引き込まれていく。道中曲は自己主張こそ高くないものの、場面ごとにこまめに切り替わり、世界観を大事にしていることが如実にうかがえる。そして、ボス戦はイントロからここぞとばかりに銃撃戦の興奮を最高潮に盛り上げてくれて、一連の流れに構成の上手さを感じる次第。一貫して感じられるのが世界観へのこだわりであり、その世界観の構築に大きく貢献している。

 銃を題材とした独自の世界観の徹底された作り込みと、高難易度のガンジョンを経験を積んで徐々に攻略していくローグライクの手応えに大きな魅力を感じた作品である。とりあえずの目的は過去を始末する弾丸を作り(これだけでも相当大変だが)、初期キャラ4人の過去を始末することであるが、そこから先にも多数のサブイベントややり込み要素が用意されており、終わりはまだ全然見えない。昨年は「Rabi-Ribi」に相当な時間を費やしたが、今年は「Enter The Gungeon」に費やすことになりそうである。


氷室 万寿 |MAIL
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