雪さんすきすき日記
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2017年11月18日(土) 続々・「AGARTHA」のこと

 9時半頃起床。午前中はイオンモールに行って新しい服を買ってきた。そのついでにフードコートに寄ってみたのだが、予想以上に充実していて驚き。まさか、地元にペッパーランチがあるとは夢にも思っていなかったのである。ちなみに、食べたのは銀だこ。
 午後は診察。もう睡眠導入剤に頼らなくても良くなったので、今回で薬を1つ減らすことができた。めでたい。

 「AGARTHA」(神奈川電子技術研究所)の感想を。
 8人の冒険者が、地底深くの理想郷「アガルタ」を目指して探検する2Dアクションゲーム。
 操作は左右移動とジャンプ、ショット、武器切り替え、ショット方向固定、自爆。最大8人の冒険者から1人を選び、次に探検する面を選択。その面のゴールに到達するとクリアとなり、次の面に挑戦することができるようになる。特定の面にはボスが登場する。
 地底は砂や岩、草、水、氷、溶岩、オイルなど多数の地形で構成されている。そして、これらの地形は自然現象そのままの振る舞いを見せる。例えば、水を熱したら蒸気になり、その蒸気を冷却すると水に戻り、更に冷却すると氷になる。その他にも溶岩は冷やすと岩になり、オイルに火を付けると燃えて無くなるなど、様々な自然現象がセルオートマトンを利用して再現されているのがこの作品の大きな特徴である。
 また、各冒険者はそれぞれ4種類の武器を持つが、武器は敵への攻撃や地形の破壊だけでなく、加熱や冷却などこれらの自然現象も引き起こすことができるものもあり、それ以外にも移動や物質変化、増殖など多種多様である。プレイヤーは所持している武器で自然現象の変化を上手く引き起こしてして、ゴールまでの道を切り開く。
 冒険者は敵の攻撃を受けたり地形からダメージを受けて体力が無くなるか、水中や地中など息のできない場所に居続けて空気が無くなるとミスとなる。敵を倒すとたまに出現する肉や、地底に落ちている宝石を一定数集めると、新たな冒険者を購入することができる。

 やはり、セルオートマトンによる自然現象の再現がこの作品の大きな見どころであろう。実際の自然現象をかなり誇張して表現しているので、例えば蒸気を冷やして湖を作り対岸に渡ったり、溶岩を冷やしてできた岩の上を渡り歩くなど、プレイヤーの操作次第で劇的な地形変化を起こすことができるのが非常に面白い。というか、普通に水を熱したら蒸気になったり、溶岩を冷やすと石になったりと、セルオートマトンで再現された自然現象を見ただけでも、この作品からは大きな感動を受けた。
 各面ともゴールへの道など用意されていないに等しく、冒険者の前に立ちはだかる地形をどう乗り越えていくかに知恵を絞ることになる。この、道なき道を切り開いて先に進むことに対する手応えが、いかにも冒険しているという感じがして、そこに斬新な魅力を感じた。また、時には待つことで道が開けたり、逆に時間が経過すると手詰まりになったりと、自然現象の変化を上手くゲームに利用したところも感心させられた。加えて、分岐の条件となる隠し出口の場所が実に巧妙で、でも何かありそうな雰囲気がする場所にしっかりと配置されており、隠し出口の存在自体も全体マップからちゃんと推測できるようになっていて、これらの隠し出口を探すのもゲームを進める上で大きな刺激となり楽しめた。
 攻略に用いた冒険者は、大体は攻撃手段に富んだ魔法使いか移動能力の高いエスパーで事足りた。特に、魔法使いはボス戦で威力を発揮し、最初のボス(この時点では魔法使いはいない)とラスボス以外は全員魔法使いで倒すことができたくらい使い勝手の良いキャラであった。そして、この2人でどうしようもないときに他のキャラの使用を検討するという感じで進めていった。この2人以外のキャラは所持する武器の癖が強く汎用性に乏しいが、逆に特定の面では大きな活躍を見せてくれる。風水師など活躍できる場面は数えるほどであったが、とある面の隠し出口への到達に必須だったり、それぞれのキャラを活躍できるようにしっかりと作られている面構成にキャラ選択の意義を感じられた次第である。ただ、ロボットと農夫は取得条件が厳しいくて、全面クリア後に取得できたから、実質6人の冒険者で攻略できたことになる。そういえば、冒険者の面々がどれも個性的だったのも、神電研らしいと感じたところである。
 ただ、通常面の手応えが十分だったのに対して、ボス戦は最初のボスとラスボスを除いて接近して攻撃を当て続けるだけで倒せたというのが、やや拍子抜けという感じがした。ボス戦が展開の抑揚になっていないというのが率直なところである。それにしても、無限増殖するラスボスはアルケミスト以外で倒す方法がまるで思い浮かばないのだが。
 画面の描画は昔のゲームのドット絵を意識した感じで、音楽もチップチューンと、古風な雰囲気の演出については、まずはセルオートマトンによる自然現象の表現ありきかという印象。セルオートマトンの描写が荒いドット絵と相性が良く、その古風な見た目から音楽もチップチューンにしたのではないかと推測される。でも、楽曲はどれも冒険心を高揚させるように作曲されており、チップチューンの音色も併せてゲームに良く合っていた。

 セルオートマトンによる自然現象の再現という技術的な側面と、立ちはだかる自然を相手に道なき道を突き進むというゲーム的な側面が上手く合致した、非常に独創性が高く独自の面白さを持った作品であった。この辺りの職人芸的な仕上がりに、さすが長年同人ゲームを作っている神奈川電子技術研究所であると思った次第である。
 そして、私の中ではこの作品は同人ゲームであるという思いを特に強く抱いた。拍子抜けしたボス戦のような隙のある作りに、洗練されたインディーゲームではなく、どこかあか抜けないところが逆に魅力である「同人ゲーム」なのである。


氷室 万寿 |MAIL
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