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2017年10月20日(金) 続^3・「魔女と偽りの影」のこと

 それでは、「魔女と偽りの影」(Dicey Craft)の感想を。

 かつて世界を支配していた「影」を封印した魔女の末裔であるシャッテ。影の魔法を操ることができるシャッテの故郷が、封印したはずの「影鬼」に滅ぼされてしまう。シャッテは影鬼を再び封印すべく、使い魔のランタと共に冒険の旅に出る。

 この作品は影を題材とした3Dアクションゲーム。操作は移動とジャンプおよび影の魔法。影の魔法は複数あり、影踏みと影縫いに大別される。
 影踏みは敵の影を踏むことで敵の動きを止め(影縫い)、また隠れた物体の影を踏むことでその物体を実態化させる(影詠み)。長押しで影に入り込み、通常の動作では行けないような場所に移動できたり(影渡り)、敵の影に入り込むことで敵を操ることができる(影繰り)。
 影縫いは、影クナイを投げて敵の影に当てることで、敵の動きを止めることができる。
 また、ジャンプ後に敵の影に着地することで、影に取り付いた邪悪な魂を祓うことができる(影祓い)。祓いきると、その敵は邪悪な魂から解放されて攻撃してこなくなる。
 さらに、物語が進むと各地に点在するレリックの力を借りて自身が影となり、生身では通過できない場所を通れるようになる影法師が使用できたり、ゲージを消費して一度に複数影クナイを投げられる影重ね縫いが習得できる。
 これらの影の魔法を駆使して、敵を倒したり地形や障害物を乗り越えながら物語を進めていく。物語の節目にはボスも登場する。
 自機は体力制で、敵の攻撃を受ける以外にも、影の魔法が使える代償として明るい場所に出てもダメージを受ける。体力が無くなったり、即死の地形に落ちるとゲームオーバー。

 影踏みという昔ながらの遊びをゲームに取り入れ、そこから影の魔法としてシステムに広がりを持たせたという着眼点を先ずは称賛したい。敵との戦闘は本当に影踏みなのだが、光源となる使い魔のランタの使い方次第で自身に有利なように敵の影を映し出せるのがこの作品の面白いところ。そして、自機の直接的な動作といえば移動とジャンプくらいで、その他のほぼ全ての動作が影の魔法によりを介して影を介して全て間接的に作用するところがとても新鮮に思えた。特に、影渡りによる意外な経路には、何度も感心させられた。
 難易度の方は結構骨があった。敵との戦闘は影縫いのオートロックのおかげで非常に狙いやすくなっていることから、1対1ならまず負けることは無いが、敵が2体以上になると影祓いの隙が大きいことから途端に極度に不利になる。なので、道中は相手を複数にしないよう細心の注意を払うことに。そして、それ以上に難易度を高めていたのが仕掛けの数々。地形や障害物を突破するには、そのための仕掛けに気づかなければならないのだが、それがほぼノーヒント。なので、仕掛けに気づかないと途端に詰むことになる。また、水中や谷底など一発死の地形も多く、ミスをしたらその面の最初からという仕様も中々に心を折ってくる。影渡りで動く石の影と一緒に水中を移動する場所では、何度溺れてやりなおしたことか。しかし、それ以上にシステムが秀逸なので、挑戦意欲の方が最終的には勝ったのだが。

 道中の戦闘と仕掛けの割合は、体感的に戦闘:仕掛け=7:3〜8:2という感じ。どの面にも趣向を凝らした仕掛けは用意されていたが、各面の展開はやはり戦闘が主体となっていたので、折角の多彩な影の魔法の使いどころが限られていた点がやや惜しいと感じた。どうせなら、仕掛け10割くらいの極端な面があっても良かったのではなかろうかと。
 また、敵との戦闘も、結局は影縫い→影祓いの繰り返しで、やや広がりに欠けていた感はある。そんな中で、墓場に登場した倒せないけどランタの光を当てると消えるという敵に対しては、敵をおびき寄せて消す、あるいは戦うという戦法を取ることになり、戦闘内容に大きな変化をもたらしてくれた。あと、ラスボス戦において影縫いだけでなく影繰りによる攻略も要求されたことに、影の魔法による戦闘の本質を見せてもらえたという感じがした。この辺りにまだまだシステムの可能性を感じた次第である。
 あと、道中に写本や石板などゲームや物語のヒントになる文献がいくつも入手できるのだが、それを見るためのメニューの開き方を知ったのがゲームをクリアしてからであったのが心残り。というか、普段ほとんど使わなかった右アナログスティック押し込みとか、全然気が付かなかった。スタートボタンは視点強制変更だったし、ABXY4ボタンの1つが空いていたのでそこにメニューボタンを充てても良かったのでは。

 とはいえ、やはり影の魔法により物体へ間接的に作用をしてゲームを進めていくという感覚は新鮮で面白いものがあり、影の魔法という発想が非常に光った作品であった。前述のとおりシステムの可能性の余地はまだ十分にあると感じられたので、今度は仕掛け重視のパズル的要素が高い続編とかも面白いかもしれない。


氷室 万寿 |MAIL
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