雪さんすきすき日記
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2016年07月31日(日) 「Voluptarma-少女と幼き淫魔」のこと

 7時半頃起床。そろそろ夏コミの準備を始めておこうと、荷造りをしたり散髪したり買い出しに出て午前中は終了。午後はカタロムをインストールしてサークルリストをインポート。

 昨日クリアした「Voluptarma-少女と幼き淫魔」(アリスマビノギオン)の感想を。
 牢の中で目覚めた少女ビオラ。記憶が無いままに脱出を試みるも、魔族に追われて瀕死となってしまう。死を覚悟した彼女を助けてくれたのは、同じ魔族である小さな少女。状況が理解できないまま、彼女の力を武器として少女は再びこの魔族の城からの脱出を図る。
 この作品は、主人公ビオラが淫魔のネイビィと共に魔族の城から脱出する探索アクション。操作は移動にジャンプ、攻撃、リロード、スキル、緊急回避。ネイビィは通常は銃に変化しており、魔力を消費して弾を発射することで攻撃を行う。弾は上下にも撃ち分けが可能。消費した魔力はリロードで回復する。スキルは強力な攻撃や補助的な効果で、スキル毎に設定された魔力を消費して使用する。スキルは5つまで装備でき、随時切り替え可能。また、戦闘の補助だけでなく、行動範囲を広げるための用途もある。緊急回避は敵の攻撃を受ける直前に入力すると、短時間無敵となり敵の攻撃を回避できる。リロードやスキル、緊急回避は、使用後にクールタイムが発生し、一定時間使用できなくなる。
 セーブが可能な場所では、ネイビィを人型に戻すことができる。人型になったネイビィは、ビオラの体力回復ができる。また、この状態ではネイビィを愛でる、躾る(という名の虐待)ことも可能。両者とも繰り返すことでビオラの強化に繋がるが、躾を続けるとネイビィが倒れてゲームが進行不能となる。
 ゲーム中にはアイテムを売る商人的な役割をするシャイエルという魔族も登場するが、アイテムを売買するにはまず戦闘で勝たなければならない。また、購入に必要なボス以外の敵からは入手できず、マップ内に隠されたものを地道に集めていくこととなる。
 敵を倒すと経験値が入り、経験値が一定になるとレベルが上昇する。レベルが上昇すると新しいスキルを覚える。また、ボスを倒すと行動範囲を広げるための操作が増える。その他、店やアイテムが入った宝箱、能力強化ができる地点もマップ内に点在している。これらを活用してビオラを強化しつつ探索範囲を広げて脱出を図ることとなる。敵の攻撃を受けて体力が無くなるとゲームオーバー。

 クリアに要した時間は3時間強と、探索物としてはさほど規模は大きくは無い。しかし、敵や仕掛けの密度は高く、マップの構造もかなり入り組んでおり、手応えは十分にあった。個人的に探索アクションに重要と思っている、マップ構造の意外性もしっかりしていた。やはり、意外なところでマップが繋がっていることへの驚きというのは、何度体験しても面白いものがある。
 序盤の地下牢は薄暗い中を魔族に追われる恐怖と共に進めることになり、ホラー色がとても強い。このままホラー的な雰囲気で進むのかと思っていたが、城に入った途端に視界が開けて探索アクション的な雰囲気に一転し、そこから先は最後までアクション色が強めの展開であった。とはいえ、探索範囲を広げて再度地下牢に戻ると、序盤では行けなかった場所に凄惨な光景が見受けられて狼狽えることも。個人的にはホラーは苦手なのだが雰囲気作りは上手かったので、この雰囲気が地下牢だけというのは勿体ないとも思った次第である。そして、終盤では愛の強さは人をここまで動かすものかと驚かされ、その後の劇的な展開からは終始目が離せなかった。さらに、その結末たるや、流れからするとある意味当然の帰結ではあるのだが、まさかゲーム開始当初にこのような結末を迎えるとは誰が想像したであろうか。マップの意外性と共に、物語の意外性でも楽しませてもらえた。
 この作品の特徴でもあるネイビィの存在だが、淫魔ということもあって常に愛情を求めてくる。なので、リロードは銃へのキスだし、人型の状態での交流もキスとか抱きしめるとか愛情表現が主体となる。ビオラの状況や、人間と魔族という種族差とか、いろいろな要素が背徳感を高めており、ちょっと刺激的なシステムであった。なお、躾は愛でるよりも短時間で強化ができるが、ネイビィが可哀想なことになるので私のプレイでは封印した。

 初期状態がとにかく非力なので、そこを抜けるのに結構苦労したが、強化の手筈が理解できるとプレイヤーの主導でゲームが進められるようになる。この段階に到達すると探索の方に重点が置けるようになり、俄然面白くなるのは探索アクションの常道であろうかと。
 自機の動きは結構もっさりしており、銃を撃つのも入力から一拍置くような感じで、操作にはやや癖がある。ジャンプで狭い足場を渡っていく場所やボス戦で、特にその動きの癖が負担と感じられた。とはいえ、ボス戦はともかく通常面ではそれほど厳密な操作は要求されず、マップの探索を阻害するほどではない。雑魚も、雑な立ち回りをせずに自機の撃ち分けを使っていけば難なく倒していける程度の強さである。
 探索範囲を広げるために倒さなければならないボスだが、こちらは先の操作の癖もあり中々に手ごわかった。自機に比べて行動が俊敏で、攻撃の間隔も割と狭い上に、緊急回避の活用を前提とした調整となっているので、その操作への慣れがとても重要。加えて、自機の体力が特定のアイテムを使わないと数値として可視化できないので、被ダメージ量の把握が感覚的になるところも大変であった。それが逆に戦闘の緊迫感を高めてくれるという効果もあったが。

 気になった点は、画面が全体的に暗く、入り口の認識がし難い場所がいくつもあったこと。ゲームの雰囲気からして暗めにするのは理解できるが、進行の支障になっては本末転倒なので、ここは視認性を優先して欲しかった。
 あと、文章の早送りができなかったのも気になったところ。ボス戦では何度も戦って攻略を見出す羽目になるのだが、その度に同じ文章を読まされるのは時間がもったいない。

 規模は決して大きくないものの、高密度の探索要素を堪能させてもらえた。そして、終盤でビオラとネイビィの深い愛情が選んだ行動と、その後の激動の展開がとても印象深い作品であった。
 最初の作品がこの完成度の高さということで、次回作にも期待が高まるというものである。


氷室 万寿 |MAIL
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