雪さんすきすき日記
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2016年06月17日(金) 続^3・「ヴァルシュトレイの狂飇」のこと

 「ヴァルシュトレイの狂飇」(スタジオシエスタ)の真のエンディングを見たので、感想をまとめる。
 人類が外宇宙に出られるようになった未来、地球は侵略の危機に瀕していた。宇宙の彼方、ヴァルシュトレイと呼ばれる磁気嵐から攻めてくる機械構造体に地球軍は防戦一方の状況に陥っていた。反撃に転じるためには、先ずは機械構造体や、そもそもヴァルシュトレイについて知る必要がある。そこで、地球軍は精鋭による編成された遊撃隊をヴァルシュトレイに向かわせた。

 強力な兵装で並み居る敵を一掃する、STGの攻めの側面を際立たせたシステムが特徴の縦STG。
 操作は移動にショット、低速移動、武器切り替え、バリオンレーザー発動。この中で特徴的なのはバリオンレーザー。敵を倒すとバリオンゲージが上昇し、バリオンゲージが一杯になったところでバリオンレーザーを発動させると、画面を覆いつくすのが比喩ではないほどのレーザーを発射する。バリオンレーザーで敵を倒すと、敵やその敵が撃った弾がハイペリオと呼ばれるアイテムに変化。ハイペリオはショットボタンを離すと自動回収され、取得した数に応じてグラバスターゲージが増加する。バリオンレーザー発動中はバリオンゲージが時間と共に減少し、バリオンゲージが0になると今度はグラバスターと呼ばれる攻撃が発動。グラバスターはショットは撃てなくなるが自機が無敵化して速度も1.5倍に上昇し、体当たりで敵を倒すことができるようになる。敵を倒すごとに倍率が増えていき、最大512倍まで上昇する。
 また、バリオンゲージが一定量以上になるとシールドが張られ、敵弾の被弾をゲージを消費して防ぐことができるようになる。シールドが無いときに被弾することで、初めてミスとなる。
 面の最後にはボスが登場。ボスは砲台と弱点により構成され、弱点の耐久力が0になると破壊されて面クリア。全12面で、残機がなくなるとゲームオーバー。ゲームモードは、面の間にデモが挿入されるストーリーモードと、デモが無いアーケードモード、2分と5分のタイムアタックができるチャレンジモードがある。

 敵を倒す→バリオンゲージを溜める→バリオンレーザーで敵を一掃→グラバスターでスコアを荒稼ぎという周期が目まぐるしく繰り返されるゲーム展開は、痛快の一言に尽きる。自機のショットの攻撃力はさほどではないが、バリオンレーザーの威力はほとんどボム並。それが続いた後に、とどめとばかりに無敵時間が付与されるのだから、延々と自機の独壇場が続いていく。しかも、これらの攻撃の最中はアイテムが大量発生して自機にどんどんと吸い込まれていくので、ひたすらに気持ちが良い。ただ、バリオンゲージが溜まったときの演出はもっと分かりやすくして欲しかったかも。ゲージが溜まると一応効果音が鳴るのだが、他の効果音に紛れて分かりにくい場合が多々あった。視点をゲージに向けることなく確認できれば、よりこの攻撃の周期に気持ちよく没入できたであろう。
 これでは自機が強すぎてゲームにならないかというと、バリオンゲージが空になった状態が唯一で最大の隙となる。ここを、バリオンレーザーによる弾消し前提の攻撃が押し寄せてくるのだから、この隙の間に受ける攻撃は大きな脅威となる。しかし、ここを必死で乗り越えてゲージを溜めさえすれば被弾上等の力押しも可能になるわけで、短いながらも窮地に陥ることでバリオンレーザー等の絶大な攻撃力による刺激がより際立っている。
 ボス戦ではバリオンレーザーによる攻撃は効果が低く、純粋に弾幕STG的な内容。砲台から撃たれる弾は自機狙に扇状弾、全方位と、弾幕STGの攻撃を一通り網羅しており、その組み合わせと耐久力により攻撃が2〜3段階に変化することで、各ボスとも特徴的な攻撃を仕掛けてくる。ボス戦ではバリオンゲージを増やす手段は砲台を倒すことのみとなるので、砲台を倒してゲージを回復しつつ弱点を狙うこととなり、道中の派手さとは一転して堅実な戦いが求められる。ボス戦は普通の弾幕STGだが、シールドのおかげで難易度は抑えられており、道中との難易度の釣り合いがとれているのが好印象であった。
 過去に「ソルジャーフォース」という作品を発表したときに、その「スターソルジャー」に対する情熱が話題となったが、今作でも自機のショットや敵の動き、ボスの容姿など様々なところに「スターソルジャー」や「スターフォース」等往年の名作の面影を感じ取ることができる。ただ、過去の作品の要素をいろいろ取り込んではいるものの、派手な攻めに特化した独自の方向性で新鮮味が損なわれるような印象は無かった。
 ボス戦はともかく道中は自機が一方的に攻める展開が続くので、プレイを繰り返すと早いうちに刺激に慣れてしまうのは仕方ないが、パターン作りなどで頭を使うことなく直感で動かして楽しめるというのは、この時勢では貴重な存在であろうのではと思った次第である。行き当たりばったりと脊髄反射だけでプレイしても十分に楽しめた。

 真のエンディングを見るまでに延べ7キャラをクリア。選択できるキャラは初期の4キャラに加えて追加の2キャラ。キャラの差はショットが拡散する範囲と移動速度程度で極端な差は無いが、ショットが拡散する方が総じて有利であった。
 物語が一区切り付いたらアーケードモードに移行しようと思っていたのだが、真のエンディングがやたらと長い上にここまで時間を費したのにまさかの未完ということで興を削がれてしまった。どうも続編や追加要素への含みを持たせているようだが、刺激にも随分と慣れてしまった今では、それらが発表されるまで今の内容で興味を維持させるのは正直なところ難しい。どうにも不完全燃焼気味な終わり方を迎えてしまったのは残念である。


氷室 万寿 |MAIL
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