雪さんすきすき日記
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| 2015年09月19日(土) |
続・「TorqueL」のこと |
シルバーウィーク開始。午前中は残った仕事を片付けるために職場へ。後憂なくシルバーウィークを満喫するためには仕方無い。
午後は「TorqueL」をプレイ。昨日Lルートをクリアしたので一段落しようかと思ったのだが、折角なのでもう1ルートクリアしてみることに。今回はuルートであった。ルート名はタイトルの1文字より取っているようで、全部で7ルートある様子。
では、「TorqueL」(FullPowerSideAttack)の感想を。 この作品は、横視点の2Dアクションパズル。プレイヤーが操作するのは正方形の箱(の中に入ったおじさんと女の子)で、これをゴールまで移動させるのが目的。箱自体は左右に転がることしかできないが、箱の四辺はそれぞれパッドのボタンに対応した色が付いており、色に対応したボタンを押すとその辺が棒のように伸びる。この辺を伸ばす動作を活用することで障害を乗り越えて出口を目指す。各辺を伸ばす動作は独立しており、障害によっては複数の辺を伸ばす必要もでてくる。 特定の面には出口が2つ用意されており、選んだ出口によってルートが分岐する。全7ルート。
ボタンを押すと辺が棒のように伸びる。辺の色はボタンに対応している。辺を伸ばせば、箱を高い場所に動かしたり、壁を押したりすることができる。チュートリアルを兼ねたタイトル画面で少し操作すれば、システムもゲームの目的も瞬時に直感的に理解でき、単純ながらも斬新な操作系がゲームへの興味を大いに刺激してくれる。 というように、システム自体は単純ですんなりと理解できるのだが、だからといってすんなりと使いこなせるかはまた別の話。箱は常に回転しながら移動するので、色の配置も都度変化する。一方で、パッドのボタンの色は当然ながら固定されている。なので、回転している箱とパッドの色を常に頭の中で対応させないと、思い通りに辺を伸ばすことができない。この、箱の向きとパッドの向きを対応させる思考作業がこの作品の大きな醍醐味であるといえる。 さらに、辺を伸ばしてすぐに縮めると飛び跳ねる、横に辺を伸ばしたままそちらに移動し続けると立ち上がる(これが非常に重要な動作)、上もしくは下の辺を伸ばして横に移動しつづけると空中を回転して着地を繰り返す、傾く床の上では端の方ほど高く飛び跳ねることができるなど、独自の力学が上記の箱の回転と合わせて移動をさらに複雑なものにしている。後半の面ではこの独自の力学が大活躍するので、見た瞬間に解法が分からず頭を抱えることも多々。とはいえ、面構成が秀逸なので、全体的には解いていくうちに操作への理解は自然と深まっていくであろう印象をも受けた。 また、アクションパズルではあるが、ジャンプアクションのように移動しながら複雑な操作を要求する場面は多くなく(皆無ではない)、障害をどのような手順で乗り越えるかの着眼点の方を重視しているように思えた。箱の向きを「瞬時に」判別する必要性も実はそれほど要求はされず、そういうときにはとりあえず全部の辺を伸ばして動きを止め、それからどの辺を縮めていくかを考えることで活路が見出せることがほとんどである。飛び飛びの地形を、一方向に辺を伸ばして方向を入力しっぱなしにすることで上手い具合に引っかかって楽々と乗り越えていくのを見たときに、この作品の難易度調整の方向性と、そしてこの作品の面白さを理解できた。クリア時間が記録されるので、時間短縮を目指すと相応の操作も要求されるようになるのであろうけど、それはプレイヤーの遊び方次第。
画面構成、特に配色がシステムへの敷居を低くしているところは大きな注目点。白黒を基調として、それぞれの仕掛けに原色やそれに近い配色をすることで視認性が大きく向上。これにより仕掛けの判断が容易となり、複雑な操作に集中できるのは有り難かった。特に、触れるとミスになる地形が真っ赤というのが危険性の高さを如実に表しており、実に分かりやすかった。また、抑揚が効いた配色は演出面でも機能して、辺を伸ばす度に白黒の世界に色が増えていく様は見た目的に楽しいものがあった。 音楽は移動しているときのみに流れるのは、手を止めて考える際には音が出ないのは集中できるし、移動する際には軽快な音楽が操作する楽しさを盛り上げ、こちらもシステム面でも演出面でも効果的に機能していた。右に移動すると順再生、左に移動すると逆再生という遊び心も実に心憎い。 操作と同調して目と耳でも楽しめる要素が随所に盛り込まれている点にはひたすら感服である。
システムを理解するのはとても簡単で、でもそれを活用するのはとても大変で、それでも難易度調整と演出が絶妙で、つい挑戦を続けてしまう中毒性と奥深さが見事の一言に尽きる。これがインディゲームの実力だと言われたら多くの人が納得してしまうであろう、斬新さと面白さに溢れた作品であった。
2ルートクリアして一段落にしようかと思ったが、この感想を書いていてそれでは勿体無い気がしてきた。プレイ時間の確保という問題があるが、何とか挑戦を続けていきたいところである。
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