雪さんすきすき日記
リサイクル戦術シミュレーション『リサイクルプリンセス』 倒れてもその場で復活するリサイクルSLG。全力で応援中!
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2013年08月25日(日) 休日のこと

 昨日は起床はそれなりに早かったものの、疲労の蓄積度合いが酷くてとても動的ゲームをプレイできる体調ではない。というわけで、そのまま日中はずっとお休み。
 夜になっても疲労が残っていたものの大分ましになったので、折角だから静的ゲームでもと思い、C84新作の山から漁って出てきたのが「真夜中は星づくよ」(CAVYHOUSE)。これを昨日から今日までプレイしていた。

 前作「マヨナカマヨイガ」で不思議な体験をした橘はももるが、京都の町でまたしても不思議な体験をする羽目に。祭りを見学していたはももるが森の外れに迷い込み、そこで出会ったのが理学生の新郷宙也。彼はそこで星見盤の研究をしているとのこと。星見盤の中に星の種を置くことで様々な星に進化させ、その結果が実世界に与える影響を調べているという。何故か星を作る才能があったはももるは、いろいろあって、研究の手助けをすることとなった。

 この作品は星空育成シミュレーション。星見盤と呼ばれる舞台に星の種を置き、周囲から様々な刺激を与えて望む星を育成していくという内容。流れからすると「ライフゲーム」が近いであろうか。先ず、星見盤は中心が黄色に、その周囲上下左右が黒、赤、白、青に色分けされている。これは陰陽道の五行に対応しており、その色に応じた「エネルギィ」を持っている。そして、そこに置かれた星の種は、種の種類に応じて色からエネルギィを得ることで独自の進化を遂げる。星の種は、大きく成長するもので進化系統が異なるものが2種類に、他の星と融合するもの、進化の方向を変えるもの、星に動きを与えるものの3種類と最大で5種類。これらを組み合わせて目的の星を育てていく。
 京都の町には、星見盤の影響が強力に現れる箇所が4箇所ある。そこにはそれぞれ問題を抱えた人物がいるので、彼らと話をしてその問題が解決するような星を育成し、その影響を確認するというのが全体の作業の流れ。育成内容はクエストという形で提示されるが、特定の星を作るだけのものから、星の集まりである星座を形勢するものまで内容は多岐に富んでいる。そうしてクエストを順次達成していき、物語を進行させる。

 150種類近くある星だが、単純に盤上に星の種を置くだけで出来るものは限られており、複数の星を組み合わせないと登場しないものが大半を占める。しかし、星の進化については逐一教えてもらえるわけではなく、少ないヒントからいろいろ考えては試行錯誤を繰り返していくこととなる。そのヒントも、カタログ内の文章に具体的に記されているものもいくつかはあるものの、ほとんどが進化の過程図で横道が描かれている場所やそこに分岐があることを示す星の状態表示、目指す星の姿程度で、そこに向かうための道筋を描くには想像力を大いに発揮する必要がある。さらに、クエストの内容も序盤から星々の組み合わせを駆使して進化させるような応用問題の連続。というように、最初から結構手厳しい洗礼を受ける羽目になる。この進化の法則を見出すのが、想像力を刺激されて面白いと感じるか、あるいは無茶振りもいいところだと感じるかで作品に対する評価は大きく変わるかと思われる(私は半々から7:3くらい)。

 それでも、星見盤の中が表情豊かな(本当に良く動くのである)星達で徐々に賑やかになり、独自の宇宙を形成していく様は見ているだけで楽しく、漫然といろいろ試しているだけでも時間の経つのを忘れてしまう魅力がある。そして、クエストを達成した後の物語の展開も興味深く、出来た星がカタログに記載されて埋まっていく収集要素もあり、先に進みたくなる衝動に駆られて開始直後から7時間連続でのプレイとかなり熱中してしまった。あと、クエストの内容で星を作るのは、その段階に進化した時点で達成だが、星座は様々な状態の星を盤上に存在させなければならない。進化には時間の概念もあるため、作る頃合を見計らうのも要求されるところに、ただ作るだけでない技巧的な面白さが感じられた。
 14時間でクリア。進化の法則やヒントの読み方が見えてくるとある程度は思いどおりに進化させられるようにはなるものの、やはり最後まで偶然と試行錯誤に頼ることになってしまった。あと、作るのが難しい星や星座は公式サイトに回答が載っているのだが、2つほどそのお世話になってしまった。カタログは残念ながら完成ならず。ただ、クリアだけでも手一杯だったので、カタログ完成まで1人で攻略するには辛いため、どこかで攻略が出るのを待つことにしたい。

 序盤から割と放置させられるので楽しむところに行き着くまでにはやや敷居が高いと感じたが、独自性の高いシステムで目新しさを感じさせるところは多く、なにより星空を作る箱庭的な楽しさがとても魅力的な作品である。


氷室 万寿 |MAIL
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