雪さんすきすき日記
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| 2012年09月29日(土) |
続^3・「リーサルクライシス・プロトスフィア」のこと |
昨日一昨日と体調が悪く、帰宅後はぐったりしていてとても感想を書ける状況ではなかった。
というわけで、「リーサルクライシス・プロトスフィア」の感想をまとめてみることに。
「リーサルクライシス」の続編である今作。前作はは、空と地の2つの勢力が争い、戦器と呼ばれる人型の兵器が戦闘の主役を務める世界において、最強の戦器である主人公のクラリーノは空と地の最終戦争を文字通り身を挺して阻止し、そしてその存在は消滅した。それから数年後、クラリーノが現れたのは現実世界とも電脳世界とも異なる見知らぬ世界「プロトスフィア」。記憶が抜け落ちた彼女は旧知の戦器や遠い世界の兵器など様々な人物と出会い、この世界における己の使命を見出すこととなる。
ゲーム内容は、大まかには前作同様面クリア型のアクション。最強の戦器という設定どおりの強大な戦力と機動力を有するクラリーノを操作して、道中の敵を排除しながら出口に到達するのが目的。ボスのいる面ではボスを倒すことでクリアとなる。 ただし、今作はローグライク的要素が導入されており、前作と進行が大きく異なっている。まず、前作では完全に固定であったマップは各面ランダムで生成される。また、前作では各面に設定されたミッションを達成することで入手していた武器などのアプリケーションは、そのほとんどが道中に落ちているものを入手することとなる。さらに、体力やエネルギーの回復、各種能力の上昇、出口の作成、果てはセーブアイテムまで、今作のシステムに応じた消費アイテムも登場。もちろん、途中でやられたりクリアした次のプレイでは、体力やエネルギー、アイテムは初期状態に戻る。この辺りはローグライクとしては定番の要素であるといえる。加えると、ローグライクの中でもいわゆる持ち込みダンジョンであり、これら入手したアイテムを送り込んで保管し、次回以降のプレイに活用するストレージも備えられている。そして、今作は1面当たりの長さが比較的短い代わりに10面が1つの区切りとなり、ミッションの達成状況の確認やセーブは、全て10の倍数面をクリアしてから行う。また、特定の10の倍数面ではボスとの戦闘となる。
クラリーノの装備は前作同様、近接攻撃のブレード、遠距離攻撃のショットとチャージショット、そして彼女の攻撃の中核を成すアサルトと、それらを補助するカスタムが2種類。アサルトは特殊な場を身に纏いながら空中を高速で飛翔するというもので、その場に触れた敵にはダメージを与え、敵弾など軽微な攻撃は防いでしまうという、この作品を特徴付ける攻防一体となった攻撃である。また、それぞれの装備は標準的なものから独特な挙動を示すものまで多数用意されており、中には他の装備との組み合わせによっては大幅に威力が上昇するものもある。この、アサルトを軸とした疾走感溢れる戦闘と、装備の組み合わせの自由度の高さは、前作から変わらない大きな魅力の1つである。 そして、今作でクラリーノが手にした強大な力が「スフィアタイラント」。アイテムを使用することで発動するこの攻撃は、そこに居合わせた敵を全てスフィアタイラントという”場”に封じ込めて一定時間プロトスフィアと切り離してしまう。スフィアタイラント内では、使用者に付与されるユーザー効果と、敵味方関係なくその場全員に付与されるフィールド効果が得られる。さらに、使用者が受けたダメージはスフィアタイラントに設定された耐久力が肩代わりしてくれる。したがって、スフィアタイラント内では、使用者はダメージを受けることなくユーザー効果とフィールド効果による恩恵が得られることから、戦闘を非常に有利に進められるわけである。 また、スフィアタイラントは重ねがけが可能で、それによりユーザー効果は重複し、フィールド効果は上書きされる。ここで重要なのがフィールド効果の上書き。例えば、敵がスフィアタイラントを使用した場合でもこちらが後からスフィアタイラントを使用すれば、フィールド効果が上書きされてこちらに有利な状況に一転させることができる(もちろん、逆もありうる)。 ただし、スフィアタイラントはそもそもアイテムを入手しないと使用できないことと、使用後はスコアを稼ぐことにより行われるチャージが完了するまでは再度使用できないという制限がある。スフィアタイラントは、多くは高位のミッションをクリアするか時折現れる大型機を倒さないと入手できない希少なアイテムであり、強力なスフィアタイラントほどチャージにより多くのスコアを必要とする傾向がある。 用意されたスフィアタイラントは全20種類で、重ねがけにより威力を発揮するものから、余程の状況でないと逆に不利になるようなものまで、その効果は多種多様。戦闘の切り札ともいえるこのスフィアタイラントをいかに活用して戦いを有利に運ぶかが今作を攻略する上で重要であり、使用方法を理解するにつれてより強大な力を引き出せるようになるのが非常に面白いところである。なお、前作での切り札であった、体力が徐々に減少していくのと引き換えに攻撃力や機動力が上昇するバーストも健在だが、今作では完全にこのスフィアタイラントの影に隠れてしまった感がある。
前作では開幕バーストによる圧倒的な優位性と疾走感、そして緊張感が非常に痛快な内容であったが、今作はマップがランダム生成なのと道中でのアイテム入手が重要なことから、一転してじっくりと探索をすることとなる。なので、敵との戦闘もバーストによる力押しが通用しないことから、持てる装備を駆使しての戦闘になるわけだが、そのおかげで前作では碌に活用しなかったロックオンやチャージショットのシステムの魅力に気づくことができたのはとても大きな収穫であった。近接から遠距離まで位置関係に応じての攻撃の使い分けが存外に楽しく、おかげで敵をほぼ全滅させるまでその面の探索を続けることが多くなり、結果的に進行は遅いものの能力の成長は進んで楽にゲームを攻略できた。他のプレイヤーからは育てすぎという話もあったようだが。 ただ、用意された装備は数多くあれど、実際に使ったのはごく一部にとどまる。これは、序盤から装備のレベルを上げていかないと後半の敵の攻撃に対応しきれないため、途中で拾った装備はよほどのことが無い限り持ち替えることはしないことによるあとは、青文字の装備以外は次回のプレイ時には消滅してしまうので、青文字を優先して使用することが多かったせいもある。
ローグライク的要素については、以前プレイした「精霊の森のミコ」で鍛えられたおかげですんなりと馴染むことができた。この点については、ベースファクタによる調整が上手になされているという印象を受けた。ベースファクタは、特定条件を達成すると解禁されるのはミッションと同じだが、初期のアイテム所持数が増えたりストレージの収容アイテム数が増えたりと、ミッションがクラリーノの性能のみに効果があるのに対してベースファクタはゲーム全体に効果を及ぼすものとなっている。このおかげで、クリアまで長丁場となる繰り返しプレイが前提の作りにおいて、目標となる地点が明確にされてプレイの指標を立てる上で大いに助かり、また全体的に様々な変化が生じることは先に進む上での刺激にもなった。中でも、一度達成したミッションが次回以降無条件で達成したことになるフリーパスの存在は、ミッションの達成意欲を格段に引き上げるものがあった(逆に、フリーパスが無かった体験版の時点では同じことを何度もやらされるのではないかと危惧していた)。敵の出現頻度を上昇させるルアージェムを使用したときの、中盤以降の敵の出現数の多さには最初目を疑ったが、装備をある程度整えれば物の数でなくなるのはさすがは最強の戦器であり、その設定を活かした調整は前作に続いて見事の一言に尽きる。
そして、スフィアタイラントである。序盤に運良くティターンを入手できたことから、ティターン+ギフトボックスで回復や成長アイテムの入手には事欠かなかったし、ライオンハートやグリムブレイカーなど強力なスフィアタイラントにも早々に出会えて、ボス戦でもかなり楽をさせてもらえた。しかし、その時点では単に便利アイテム程度の認識しか抱いていなかったのだが、それを一気に覆されたのが190面でのウォーズ・ウォー戦である。ここでスフィアタイラントをかけている最中にチャージを完了させることで再度使用可能になるという状況が発生し、言わば”終わらないスフィアタイラント”の完成。これこそ自分の有利な場に相手を引きずりこみ有利に戦うというプロトスフィアならではの戦い方の真髄であり、製作者がスフィアタイラントの説明で述べていた「死にそうになってから使うのは初心者で、より効果的な使い方がある」というのはこのことだったのかと大きな衝撃を受けた。暴力的ともいえる一方的な攻勢が繰り広げらるものの、それがプロトスフィアという設定に基づくことからゲームとして十分に説得力のある展開であることには、今まで培ってきたある種の常識を覆された感すらあり、同時にさすが大雪戦の作品であると感嘆したものである。さらに、その舞台を190面という大詰めの、そしてウォーズ・ウォーという因縁の相手で体験させてくれた製作者の心意気にはもはや完敗である。
物語的には前作ほどの起伏は無く比較的淡々と進んでいったが、この小さな世界の中を駆け抜けたクラリーノが皆に託していったものは決して少なくはなく、それが語られるエンディングの独白は実に感慨深いものがあった。現実の世界では争いが続いており、しかも以前よりも状況は悪化しているようである。それに対してマスターの思惑はどう働くのか、イーピスやヴェルデはどう動くのか。それが語られる日が来ることを願う次第である。 あと、意外とソラが大活躍。まさかここまで話に関わってくるとは、体験版の時点では全く想像できなかった。
ただ、やはり強制終了の多さには正直辟易するものがあった。ソラの前でA−マスタリーとハイロブラスターが揃ったときに落ちたのはかなり暗澹たる気持ちにさせられた。しかし、これでも以前に比べれば落ちる頻度も少なくなったようだし、救済策も講じられたようなので、初期にプレイしていた人はどれだけ散々な目に遭ったものやらである。
ミッションは全て達成し、ベースファクターも全て解禁。総プレイ時間は63時間ほどであった。アップリカは装備を揃えても負けるときは負けると聞いていたので、ヴァルカ+ライオンハート×3+クロノスでほぼノーダメージで倒せてしまったのは意外であった。しかし、自分の有利な場に持ち込むのがスフィアタイラントでの戦い方なので、そういう戦い方ができて勝てたことに大いに満足している。
ローグライク的な要素を導入して続編として異なる方向性に持っていった今作であるが、アサルトを軸とした空中乱舞やカスタマイズの自由度の高さなど前作の魅力はしっかり引き継ぎ、その上でタイラントスフィアという新しい魅力的なシステムも追加している。既存と新規の様々な要素が絡み合いながらもそれらをしっかりと纏め上げ、そして何より大雪戦の作品らしいと感じさせるにぎにぎしく華のある要素が盛り込まれた、単なる続編には収まらない高い完成度と独自性に富んだ傑作である。
ところで、クラリーノがセカンドを陵…粛清する場面が真っ暗になる不具合のパッチはまだですか(笑)?
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