単独ライブ  -音楽と日常の独り言-
me-mi



 

 生月という場所に行った。
「いきつき」と読む。
野球の春季リーグの開幕。
平戸で開幕式があって、その後生月へ移動。
朝5時集合、3時間かけて平戸へ。
その後生月へ移動。

海だ。
島には橋が掛けられていて吸い込まれそうな深さ。
船が波に逆らって切り進む。

島というのは一種独特の雰囲気を持っていると思う。
特に長崎だからそう思うのか?
狭い道幅の道路を進む。
右手に大きな仏像。
球場の横には不動明王か?
背中に火を背負った等身大以上の仏像が祭られている。

球場外野付近に烏が一羽。
「あの烏めがけて打てー!」
誰かの声が飛ぶ。

「ここは烏の集合場所なんだそうですよ」
地元に詳しいひとから聞いたというひとが話す。
「この球場いっぱいに烏が集まるんです。」
「そしてあの山が烏の生息地なのだそうですよ」
後ろの山を指す。

球場いっぱいの烏。
都筑道夫の作品に『七十五羽の烏』というのがある。
「論理のアクロバット」という力技を使った作品。
随所に本題とは関係ないウンチクがちりばめられている。

烏は、熊野の牛王の護符に描かれている。
山藤章二の手によって、作中に図案が描かれている。
熊野の牛王(ごおう)とは、花魁が客と夫婦約束の証文を書くとき使った誓紙らしい。
その図案に、七十五羽の烏が描かれている。
『牛王の裏に誓紙いちまい書くたびに、熊野の烏がお山にて、三羽ずづ死ぬる』
こちらは浄瑠璃のセリフだそうだ。

『三羽づつ死ぬる』
七十五羽とまではいかないが、2試合合計3かける13イニングのアウトを取って2勝した。

そして不動明王に手を合わせる地元のひとを背にその場を立った。
『三枚起請』(さんまいぎしょう)という落語のさげは、起請(熊野の牛王に書く証文)をやたらに書くのは烏をみんな殺して朝寝がしたいというものらしい。
家に帰り着いたのは午前3時半に起きてから18時間後のことだった。
ああ、私も朝寝がしたい。

2002年04月14日(日)
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