パラダイムチェンジ

2006年06月10日(土) 一人でNYに行くということ

今回、5日間の講習会の間中、他の生徒さんと雑談になった時に、
この後はどうするの?と聞かれ、2日間マンハッタンで過ごす予定、
と答えると、大抵、「まあ、それは素晴らしい」と言われた後、
「現地に誰か知り合いはいるの?」と聞かれることが多かった。

残念ながら私はNYに知り合いはいないので、「いや、一人で過ごす
つもりだけど」というと、向こうの人の反応は、「それは勇敢だ」とか
「本当に大丈夫?」とか、「何か困ったことがあったらすぐに連絡して
ね」というものだった。

えーと、NYってやっぱり一人で過ごすにはそんなに危険な場所なん
でしょうかね?
いや、向こうの人たちにそういって頂けるのはとてもありがたい事
だったんだけど。

ということで、期待と不安が一つになって、マンハッタンへと旅立つ
俺なのさ、だったんだけど、実際問題、どうだったのか、というと。

全然問題なかったのである。
これが、拍子抜けするくらい。

マンハッタン島へは、今回知り合った生徒さんの車に乗せてもらって
移動して、初めてマンハッタン島の摩天楼を見た瞬間の感想は、お〜
すげ〜、だったし、その後街を歩いていても、目に入る建物には、
その後も目を丸くし続けたんだけど、実際問題、2日間滞在する間は
全然問題がなくて。
むしろ一人の方が居心地がよかったくらいで。

初めて5番街に降り立った時の感想は、「なんていうか、銀座?」だっ
たのだ。そう、目に入る風景はもちろん違うけれど、街の雰囲気自体
は、東京によく似ている気がしたのである。
だから、普段東京で、一人でいろんな所に行くのと、殆ど気分が
変わらなかったというか。
積極的に話しかけなければ、英語すら話さない訳だし。

今回、自分が行った場所が、観光客の多い場所ばっかりだった、と
いうのもあるだろうけど、逆に周りの人の観光客っぽさの方が面白い
なあ、と思ったし。
後でも書くと思うけど、今回向こうの学生の修学旅行と一緒になる
事が多かったんだけど、その振る舞いとか見ていると、日本の修学
旅行生と変わんないなあ、と思ったのだ。

街の中を歩いているスピードも、東京とあまり変わらない気がした
し、地下鉄とかでも、周りの人とあまり関わり合いにならない感じ
とかも、日本の雰囲気に似ている気がしたし。

だから東京で単独行動に慣れている人は、あっちに行っても単独行動
には何の問題もないんじゃないのかな。
むしろ、アメリカの他の都市の場合、車がなければ単独行動ができ
なかったりとか、もっと他人を頼らないと生きていけないんだけど、
NYと、あとハワイに関しては、そういうこともないので、日本人に
とっては過ごしやすい場所なのかもしれない。

でも逆にいうと、日本人というか、自分みたいな人間ほど、自由と
いう事にこだわっている人たちっていないのかもしれないなあ、と
思ったのだ。
向こうの人たちって、多分、助け合うことが前提で行動しているん
だと思うんだよね。
だから、たとえば一緒にご飯を食べる人間がいないんだったら、
力になろうか?と自然にいってもらえたりして。

それに対して、今時の日本人の感覚って、もしかするとあんまり
知り合いじゃないのなら、気使うのも面倒くさいので一人で行動する
よ、というのが当たり前になってしまっているのかもしれない、と
思ったのである。

ただ、逆にいえば、たとえばこのNYで私が全く誰も知り合いがいなく
て、一人で生きていこうと思ったら、多分絶対生きていくことはでき
ないと思う。おそらくは寂しさでどうしようもなくなってしまうと
思うのだ。
今回は2日間だったから、ちょうどよかったのかもしれないし。

私自身は、ひとり旅が結構好きなんだけど、でもそのひとり旅って
いうのも、必ず帰ってきて、知り合いに会えることが前提だから、
出来ることなわけで。
ひとり旅を続けていると、無性に人と話したくなる瞬間ってあるん
だよね。その分、帰ってきてから知り合いや家族に会うとまた新鮮な
気分になったりするし。

今回のNYでは、初めてということもあり、観光客の人がよく行く場所
に行くことで満足だったんだけど、もしももう一度、NYに行くことが
あったとしたら、その時は今回知り合いになった人も含めて、誰かを
頼って、その人の紹介するNYを体験するのも楽しいかもしれないなあ
と思ったのでした。

ということで、次回よりマンハッタン島での写真などを。
今これを書いているのって日本なんだけど、1週間前、NYにいたって
いうのがなんか信じられなかったりもするんですけどね。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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