| 2005年09月14日(水) |
有権者が選択したもの |
今回の選挙の結果として、有権者は何を選択したんだろうか。 一ついえるのは、「現と状維持」を選択した言えるのかもしれない。 今回の選挙が小泉政権の信任投票の意味もあったにせよ、国民は急激な 改革というものは、もしかしたら望んではいないのかもしれない。
今回の選挙が、本当に郵政民営化の是非を問うものであったのかは、 終わった今でも私にとってはよくわからない。 ただわかる気がするのは、小泉改革路線に賛成か反対か、と聞かれた 国民の大半が賛成した、という事なんじゃないのかな。
少なくとも今後、最低1年間は消費税のアップはない代わりに、国の 借金は増え続けるだろうし、またおそらくは対中国、韓国との関係も ギクシャクしたままだろう。 また、おそらくは今後も少子化の傾向は続くだろうし、年金の計算は 成り立たないかもしれない。
でもそれでも、2005年9月の段階で国民の大半はそれでいい、と判断 したんじゃないかな、と思うのである。
反対に、民主党は今回、「日本をあきらめない」のキャッチフレーズで 政権交代を訴えた。 でもおそらく、まだ今の日本人の大半は「日本をあきらめてもいない」 し、またそこまでの危機感を感じているわけでもなかった、ということ なのかもしれない。 すなわち、そもそもの戦略ミスだったのではなかったのか。
彼らの言う日本国民が、具体的に誰を指すのか、都市部の人間なのか、 それとも郵政民営化反対の支持団体である自治労だったのか、郵便局 がなくなる事を恐れる農村部だったのか、年金に不安を感じる中高年層 なのか、それとも若者に対してなのか。 おそらくは的をしぼりきれなかっただけでなく、その歯切れの悪さが 敗因だったのかもしれない。
だから、今回の選挙が政策優先で決まったような気はあまりしないのだ。 結局それはイメージ選挙だったのだと思うし、その意味で先を取ること に成功し、その後のイメージ戦略もうまくいった自民党の戦略的勝利 だったといえるのかもしれない。
しかしその結果がどうなるのかは誰もしらない。後は見守っていくしか ないのだろう。
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