パラダイムチェンジ

2005年05月23日(月) Shall We Dance?

今回は映画ネタ。見てきたのはShall We Dance?
実をいえば、私は今から10年以上前、社交ダンサーだったことがある。
大学時代、学生競技ダンス連盟(通称学連)という団体に所属する大学
の競技ダンス部の選手だったのである。
私の大学時代は、社交ダンスと共にあったといっても過言ではない。

だから、という訳ではないが、この映画のオリジナル版である「Shall
We ダンス?」
や、TVバラエティ番組のウリナリ社交ダンス部を見る時
には、どうしても身構えてしまうのである。

もちろんそれらのおかげで、日本における社交ダンスの裾野は広がった
と思うし、実際、私たちの代では苦労した新人勧誘も苦労は減ったらし
い。まことにありがたいことである。

でもその一方では今回の映画の中でジェニファーロペスが
言っていたように「ふざけた気持ちでダンスを取り上げるのなら
やらないで」という気になってしまうのだ。いやマジで。

という感じで、幾分身構えた気分で見に行ったのだが、見てきた感想は
「予想していたよりずっと面白かった」である。

物語の運びはオリジナル版と一緒なんだけど、出来上がった作品として
は、こっちの方が好きかもしれない。
オリジナルと今回の作品の一番の違いは、リチャードギア演じる主人公
の方が、断然ダンスを楽しんでいるように見えることである。

それはダンスシーンの前後に垣間見せる表情が、無防備に楽しんでいる
ように見えて、しかもその楽しさがこっちに伝わってくるような気が
するんだよね。
そう、やっぱりダンスは心を弾ませて踊らなくちゃ。

おそらくはリチャードギアに限らず、この映画のキャスト、スタッフに
共通するのは、社交ダンスとそしてオリジナル版に対するリスペクトの
気持ちなのかもしれない。
だからこそ何かすがすがしい気持ちにさせてくれるのである。

肝心のダンスシーンに関してマニアックにいえば、物語の最初の方、
ジェニファーロペスが初心者であるリチャードギアたちの目の前で、
プロの男性パートナーと組んで踊っているときのラインがとっても
綺麗で。

あと、これはオリジナルにはなかったと思うけど、ジェニロペと、
リチャードギアが1時間だけ練習するシーン。
うんうん、そうだよな、ダンスに必要なのって相手の事をちゃんと感じ
ることなんだよな、と思ったり。

この映画を観た後は仁侠映画における高倉健効果ではないけれど、
また踊り始めたい気分になってしまったのである。
全てのダンスを愛する人にオススメの映画である。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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