パラダイムチェンジ

2005年04月28日(木) 阿修羅城の瞳

今回も映画ネタ。見てきたのは「阿修羅城の瞳」

この映画を一言でいうなら、「なんかもったいない」である。

いや、主演の市川染五郎は格好いいし、宮沢りえもきれいだし、
渡部篤郎、樋口可南子もいい味出しているし、物語も申し分なく
面白いんだけど、なんていうのかな、日本映画の悪いクセが出ている
ような気がするのだ。
では、なにが日本映画の悪いクセなのかといえば、予算の問題だとは
思うんだけど、一点豪華主義に走りがちだと思うのである。

この映画でいうと、冒頭の芝居小屋に染五郎たち鬼殺しの闇奉行たち
が殴りこみ、大暴れをするところから、染五郎の舞台場面あたりまで
は、とても凝ったつくりになっていて、見る方もおお、と身を乗り出し
たくなるんだけど、その勢いがラストまでは続かないので、クライマッ
クスが本当は一番のスペクタクルのはずなのに、どこか尻すぼみな感じ
がするのである。

ラスト近くはCGを多用しているせいもあるんだろうけど、なんか予算
とか大変だったんだろうなあ、といらぬ心配をしたくなっちゃうんだ
よね。

ストーリー自体は、実は今まで一度も「新感線」を見た事がない私でも
素直に面白いと思ったし、何より市川染五郎の傾(かぶ)きっぷりは、
いよっ!色男!と声をかけたくなる感じだし(特に首が飛んでも動いて
見せらあ、と見得を切るところとか、オレはお前に突き立てたいんだあ
というところとか)。
いやあ、やっぱり歌舞伎役者は侮れないって感じかも。

でも、やっぱり一度は新感線の舞台は見に行きたいよなあ、と思う作品
でございました。
おそらくは同様に思った人が多い場合、チケットの入手は更に大変に
なってしまうのかもしれないんだけど。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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