| 2004年09月22日(水) |
あえて逆の立場で考えてみる |
プロ野球再編問題、スト問題に関しては、私は多分にもれず選手会側の 味方である。 第1回のスト後の反応も、ファン、世論共におおむねスト賛成のようで。
であるならば、私はちょっと天邪鬼な性格なので、今度はオーナー側の 立場に立って、この問題を考えてみたいと思う。
かといって、読売新聞の社説のような、選手会に対して反感を煽るよう な立場は取らない。 一体、あの社説は誰に対して意見を述べているのだろうか(おそらくは 元某球団オーナーである主筆のご機嫌取りなのかもしれないが)。
9/18に行なわれた会議では、結局最後まで来期からの新規参入に向けて 最大限の努力をする、という文言を入れるという選手会側の提案に最後 まで反対をし続けていたのは、巨人とオリックスだったようだ(別説で は、ファイターズを除くパ球団と巨人という話もある)。
彼らが、できれば来期からの新規球団の受け入れを受け入れたくない、 と思う背景には、産業再生機構送りになる可能性のある、ダイエーの 問題があるだろう。 今期は間に合わなかったにせよ、来期中にはダイエーがホークスを手放 さざるをえない状態も予期できるし、その場合には、新規参入球団が なければ、ロッテのホークス合併→1リーグ化という長年の夢?の可能 性もまだあるのである。
昔、球団名を変更するときに、ブレーブスだと企業名のオリックスと 変わらず、結果ニュースで企業名が呼ばれないとイヤだという理由で ブルーウェーブという長ったらしい名前をつけた球団である。 ここで1リーグ化した場合のスポーツ紙1面もしくは、ニュースでの 巨人戦相手の時の企業名露出効果に期待をしないわけがない。
でも、たしかにここで選手会との交渉で、新規参入を認め、セ6球団、 パ6球団に揃えたところで、ダイエーの今後によっては、まだまだ、 パリーグの先行きは不透明なのかもしれない。
また、新規参入がライブドア1社ならまだしも、ここにきて楽天も 具体的に参入に向けて動きはじめた。 その場合、新規参入をライブドア、もしくは楽天1社に絞るのかどうか という議論は、未だなされてない。 仮に2社とも認めてしまった場合には、セ6、パ7球団になる可能性だっ てある。
両者とも、現状ではオリ近でプロテクトから外れた選手たちを戦力とし て見込んでいる以上、チームとして成り立たせるのはどちらか1チーム に絞らざるをえないのではないか。
でなければ、アメリカメジャーリーグのように、球団新設の際には エキスパンションドラフトを行い、11球団からプロテクト外の選手を ドラフトで指名するという制度を新たに作る必要があり(私はこの制度 の新設には賛成だが)、それを来期までに整備するのは、さすがに困難 を極めるだろう。
それに、仮に楽天、ライブドア両者の自社のIT戦略と絡めた球団経営が 成功したとしても、旧態依然とした他球団の経営が苦しい事に変わりは ないわけで、ライブドア、楽天が生き残って他球団がつぶれる可能性も 否めない(仮に両者が成功した場合には、ヤフーが黙って見過ごす訳は ないと思うが)。
だから来期までに参入の条件を完璧に整えるというのは、確かに無理が あるように見えないこともない。 ま、現実的には、ライブドア、楽天のどちらかを選ぶのが妥当な判断 なんだと思うのだが。 と、思ってたら、どうやら楽天も本拠地を仙台にして、ライブドアと 完全競合することを宣言したようで。 果たして新規参入したあかつきにはどっちが選ばれるのだろうか。
ただし、ここではそれだけでは面白くない(爆)ので、某元オーナー側に 立って、問題の解決策を考えてみる。
それは、今こそ新リーグの立ち上げである。今まで様々なしがらみが あり、しかも選手会のストにすらろくに対応できない(そうしたのは 彼らたちなのだが)日本プロ野球機構とはおサラバして、巨人と愉快な 仲間たちと称して、某元オーナーお気に入りで、将来販促に役立って くれそうな球団だけ引き連れて、別リーグである。
なんだったら韓国、台湾、中国とも提携して、アジアリーグを立ち上げ たって構わない。 日本で、自分の系列局ではまだ放送がないのに、ヤンキーススタジアム に漢字ででかでかと恥も外聞もなく広告看板を出す親会社である。 (近い将来、放送権を独占するつもりかもしれないが)。
今までさんざっぱら新リーグ立ち上げだと脅しすかして、FAやらなにや ら認めさせてきたのである。ここで選手会のいうことなんか聞かず、 新リーグを立ち上げなくてどうするのだ。 どうだ、これ以上の解決策はあるまい。
と、某元オーナーは吠えてくれると面白いのだが。
ただし、その場合、今以上の選手会側の反発は避けられないだろう。 選手会やファンが望んでいるのは、プロ野球の将来について、ある程度 透明性を持たせて、時間をかけて議論するということだと思うからで ある。 その結果、エキスパンションドラフトなどの新規参入に向けた整備も なされれば、プロ野球にもまだ発展の可能性は広がるんじゃないだろう か。 どっちに転んだって今後も大変なんだろうし
さて、現実の交渉は、どのように展開するんだろうか。
|