パラダイムチェンジ

2003年09月25日(木) 「つきあう」

前回の日記の流れで、「つきあう」という事について考えてみる。

つきあうって言葉にはいろんな意味があると思う。
例えば母親に買い物に付き合って、と言われたら、一緒に来い、と
いう命令?なのかもしれない。

でも例えば、好きな女の子や、もしくは彼女ではないただの女友達
から同様に買い物に付き合って、と言われたらどうだろう?

人によっては、なんだアイツも俺の事頼りにしているんだ、なんて
言った本人がどういうつもりで言ったかは別として、鼻の下を伸ば
してしまうかもしれない。


じゃ、恋愛のシチュエーションで「つきあう」という言葉について
考えてみる。
この場合も人によって、そのニュアンスは大きく異なり、そして
恋愛の場合の方が、そのギャップが問題になるような気がする。

一般に恋愛で「つきあう」と言った場合って、どのあたりを指す
んだろう。
人によっては、「つきあう」=「SEXが許される関係」という事に
なるのかもしれない。
というか、少なくとも若い男性だとこんな感じなんだろうか。

するってえと、出会い系なんかにみられる、お互いにあとくされの
ない「割り切った」関係なんかも「つきあう」範疇に含まれると
考えられるのかな。


でも、男性でも女性でも「つきあう」という言葉にもう少し深い?
意味を求める人もいる。

そのニュアンスを言葉にするのは難しいんだけど、「割り切った」
関係に対して「割り切らない」関係と言えばいいんだろうか。

すなわち、つきあう=SEXオンリーの意味ではなく、「ずーっとつきあう」関係というか。
以前、この日記でも紹介した糸井重里と川上弘美の対談で言えば、
「添い遂げる」という感覚といえるのかもしれない。

つまり今私を抱きしめてくれている人が、次の朝にいなくなって
しまうのではなく、「ずーっと一緒にいてくれる」という感覚。
で、そういう自分につきあってくれる人、というのがいる場合、
こういうヒリヒリした時代だからこそ、その人は本当の意味で
癒されているのかもしれない。

で、私自身もそういう「ずーっとつきあえる」関係でいられるパー
トナーが欲しいなーなんて思ったりもする。
相手にとってのそういう存在でいたいなあ、とも思ったりする。


でもね、実は彼氏彼女にそういう「ずーっとつきあえる」という
ものを求めるっていうのも、実は結構難しい事なんじゃないかな
とも思うのだ。

なぜなら、「ずーっとつきあう」って事は、恋愛期間が終わった後
も、「ずーっとつきあう」という事だから。

恋愛期間中は「あばたもえくぼ」ではないけれど、相手のマイナス
ポイントに対してはあえて?目をつぶっていた部分があっても、
恋愛期間が終わってしまうと、今度はそのマイナス部分がお互いに
目に付いてきたりする。

また人によっては他の人に目を移したりして、結果お互いの気持ち
が離れていったりもする。
だから恋愛期間中、無茶苦茶ラブラブな関係だったからといって、
その関係がずーっと続くとは限らなかったりするのかもしれない。

また、例えばじゃあ片方が相手の言うことを全部きいていたら、
ずーっとつきあえるかというと、そういう訳でもないらしい。
そういう場合時として相手から「重い」と言われたりもする訳だ。
うーん、つきあうのって考えだすと難しい。

そして、現実としてはそんな風に「ずーっと続く関係」というのを
作るのが難しいからこそ、そういう題材の作品は、「究極の純愛」
や、「感動の名作」なんていうコピーがつけられるのかもしれない。

つまり「フィクション」だからこそありえるし、人は自分に出来ない
事だからこそ憧れたり、感動したりするのかもしれない。


でもね、その一方でいえば、「ずーっとつきあっていこう」と思うの
って、実は覚悟というか気持ちの問題なんじゃないのかな、とも思う
のだ。
つまり、自分は何があってもこの人とつきあっていこう、と思うこと
が大切なんじゃないのかな。

また、マイナスポイントにしたって、マイナスに目をつぶって我慢す
るのではなく、そのマイナスポイントをも受け入れていれば大丈夫、
というか。

そもそもつきあっていこうと思うんであれば、マイナスポイントを
補ってあまりあるプラスのポイントがあるからなんだろうし。
また、つきあっていけるという事は、自分のマイナスポイントを相手
もまた受け入れてくれている、という事なんだろうと思うし。

人間って不思議なもんで、自分だけが我慢していると思うと、その
関係に耐えられないというか、損している気持ちになるのかも。


でね、「この人とずーっと付き合っていこう」という覚悟を持つ人
っていうのは、例えばつきあった女性の数を自慢したり、恋愛の数を
誇る事とは別の意味で、素敵なんじゃないのかな、と思うのだ。

だって、自分がずーっとつきあっていきたいと思う人に出会えたって
事でもあるわけだから。

少なくとも自分は、「ずーっとつきあっていける」という覚悟を持つ
人間でいたいと思うのだ。


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