パラダイムチェンジ

2003年06月30日(月) 夏カゼ後日談

さて、前回の日記、ちょっと持って回った言い方というか、
舌足らずな部分があったとも思うので、今日はその後日談などを。

舌足らずな部分というのは、読んだ人に「カゼひいた位だったら、
医者なんて行かなくても平気だよ」という、印象を与えてしまった
かもしれない、という部分である。

ええとですね、そんなことはなくて、カゼひいた位でも、もちろん
医者に行った方がいいと思います。
ただ、医者に行くことも重要だけど、充分な休息をとることは、もっと
重要かもしれませんよ、と言いたかったのだ。

事実、自分も翌日は、喉の腫れは少し治まってきたんだけど、今度は
治りかけの症状として、鼻水が止まらなくて困った状態になってしまった
ので、結局仕事前に、時々通っている耳鼻科のお医者さんの所まで
行ったし。

で、これを書いている今現在は、もう平気。
カゼの峠も越して、大体90%位は回復している。
鼻水も治まったし。

結局、カゼって、早期発見早期治療ではないけれど、ひどくなる前に
早め早めの対処法を心がけておけば、そんなにひどくなることはない
んだと思う。


で、今年初めてのカゼひいた記念?で、カゼについて、もうちょっと
脱線してみる。

時々、カゼを引いたというと、気合が足りないんだ、とか、カゼは気合
さえあれば簡単に治るんだ、という人がいる。
で、実はこの説にも一理はあると思う。

どういうことかといえば、いわゆる気合が満ち溢れている状態、という
のは、身体の中の自律神経と呼ばれる、身体の状態を調節する神経の
内、交感神経が優位に働いている状態だと考えられる。

で、交感神経、他にどんな時に優位に働くかといえば、極端な例で言えば
戦争で戦闘中や、集中力を必要とする状態で、優位になる。

すなわち、自分の生命が生きるか死ぬか、の瀬戸際の時には、カゼをひい
ただの、なんだの言ってられない状態であるわけだから、火事場の馬鹿力
ではないけれど、身体の免疫力、抵抗力は、一気に増強される。

5年前のワールドカップフランス大会で、日本代表のゴンこと中山選手が
ジャマイカ戦で、骨折していたにも関わらず、その後もピッチに立ち続け
ていたことを覚えている人も多いかもしれない。

いわゆるあの状態のことである。
本人としては相当痛かったとも思うんだけど、それにも増して交感神経の
働きが、彼をピッチに立たせていたといえるのかもしれない。

そこまで極端な例じゃなくても、そんな風に気力が充実している時は、
確かにカゼはひきにくいと思う。

ただし、だからといって自己弁護するわけじゃないけれど、カゼをひいて
しまった人のことを、例えば「だからお前は気合が足りないんだ」という
のは、ちょっとしたお門違いである。

なぜなら、人は絶えず交感神経だけを緊張させて、生きている訳では
ないからである。
むしろ、交感神経だけが緊張し、反対の身体をリラックスさせる
働きを持つ副交感神経がうまく働かなくなってしまった人の中には、
「自律神経失調症」と診断されて苦しんでいる人も結構いると思うのだ。


また、似たような例としては、栄養ドリンクを飲めば、カゼなんか吹っ飛
ぶよ、という意見もよく聞かれる。
噂によれば、ユンケルの一番高い奴はよく効くらしい。

でも、これも先程の例と同様、今回は栄養ドリンクの成分を利用して、
一時的に交感神経優位の状況を作り出しているからかもしれない。
この辺は薬学を専門にやっているわけではないのでなんとも言えないが。


で、確かにカゼ引いているけど、これからどうしても仕事をこなさなきゃ
いけない、という時には、総合感冒薬よりは、そうした栄養ドリンクの
方が「効く」かもしれない。

総合感冒薬には、眠くなる成分というか、身体をリラックスさせる方向に
働かせる成分が含まれているものも多いみたいだし。


でもね、個人的に思うのは、それが効くのは、ごく一時期であると思う。
それより重要なのは、そんな風に頑張って乗り切ってくれた身体を、
その後でちゃんと休ませてあげることだろう。

無理な頑張りの利く、若い内はまだいいんだけど、そのうち段々と無理が
きかなくなってきた時に、同じように頑張っていると、思わぬ所で足を
すくわれる事もあるかもしれない、と思うのだ。

まあいずれにしろ、休息が一番、という事でお開きにしたい。



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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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