掛川奮闘記

2006年12月20日(水) 061220_スコットランドに乾杯

 少し暖かい日が続いています。道路の雪が融け気味で、歩きづらいですね。

【スコットランドの話題で盛り上がる】
 今週の忘年会も3日目です。

 今日のメンバーは、イギリスはスコットランドに住んでいた経験のあるAさんと、同じくスコットランドに滞在して現地の政治について研究したことのあるB先生、ネパール在住経験のあるCさんという、私以外は皆海外在住経験のある人たちばかり。

 異国の珍談奇談を聞かせていただいて、日本と比較をしてみると、国柄の違いがよく分かります。

 Aさん、Bさんから共通して聞かれるのは、「スコットランドの生活は《つましい》」ということでした。

「スコットランドって、イギリスの島の北端の地域ですから、冬になると夕方前にはもう真っ暗になるんです。その分夏は今度は日が長くなる。極地に近いんですね」
「へえ、夏なんか朝早くから明るいということですか」

「北海道も夏は朝早く明るくなりますが、それは国の標準時間の明石市よりも東側にあるからなんですよ。スコットランドは世界標準にもなっているグリニッジより西側にありますから、夜に長く明るいんです」
「あ、なあるほど。それじゃあ夏の長い夜は、皆さんテニスをしたり、パブで飲んだり、そういう夜の過ごし方をするんですか?」

「いえいえ、そんなのは贅沢ですよ。多いのはピクニックとか、ただの散歩とか、お金をかけずに歩くだけのようなことですね。パブだって、お酒や外食は収入に比べてが高いので非常に高いので、そんなことはあまりないんですよ」
「ピクニックなんて随分質素というか、つましい趣味ですね」

「やっぱり国柄でしょうね。向こうは階級社会が日本などよりよほどはっきりしていますからね。なにしろまだ広大な地主で土地を貸している貴族がいますし、労働者はブルーカラー階級としてはっきりしていますからね」
「日本じゃそういう固定的な身分制度は嫉妬や妬みの対象になりそうですけどね」

「階級ゆえの収入なんかにもやはり差がありますけど、そういうことが当たり前だ、ということになっていますね。そうそう、だからイギリスでサッカーで有名になって稼ぐようになるというのも、ブルーカラー出身の人たちですね」
「ふうん。しかし、そんなスローライフやLOHASを地でいくような社会を見て、日本よりはよほど良いとか、ずっと向こうに住みたいとか思いましたか?」

「いや、駄目でしたね」と、今度はB先生。

「私が駄目だと思ったのは、家の修理などは全部日曜大工でやらないといけなかったことです。ちょっとした修理などを格安で良質にやってくれる業者やサービスという精神が全くないんですよ」

するとAさんが「私は病院にかかって、これじゃ駄目だと思いましたね。日本みたいに簡単に診察なんか受けられませんでしたから」
「へえ」

「風邪を引いて、もう我慢が出来なくて医者に予約を取ろうと電話をしたら、いろいろと訊かれて、挙げ句の果てに『もう少し我慢して様子を見て、一週間後に来てください』と言われましたよ」
「それじゃ直っちゃうじゃないですか」

「私は意地で一週間後に行きましたけど、薬だって簡単に出してくれないんですよ」

    *   *   *   * 

 スコットランドが面白いのは、サッチャー政権の時にスコットランドの議会が独立したことで、イギリスという国の中に独立したスコットランドという議会が存在しているのです。

 スコットランドもわずか300年ほど前に今のイギリスに統合されただけで、その前は一つの国だったという歴史があるにせよ、地方議会ではない、国として独立した議会を認めるとはなかなか理解しがたいことです。

 しかもそれでいて、スコットランドからもイギリス全体の国政に参加出来る国会議員を選出することも出来るのです。

 もしも北海道が独立して、議会を有したうえで独立した法律や予算を策定出来るとしたらどういう事になるのか、というシミュレーションをする上では大変参考になる地域なのです。

    *   *   *   * 

 さて、イギリスのイングランドとスコットランドを分ける境に120kmに渡って、ローマ時代に作られたハドリアヌスの城壁と呼ばれる遺跡が残っていて今では世界遺産にもなっています。

 かつてのローマ帝国がその版図を広げた果てがこの地で、さすがのローマ人たちも、「この先は進んでも何もなさそうだ」とあきらめたという地の果てなのですが、スコットランドは更にその先にある土地。

 今日の会談は、現地のスコッチウィスキーを取りそろえたバーで味わい豊かに過ごしました。

 スコットランドの長い夜に乾杯!



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