| 2006年07月18日(火) |
060718_未来紀行フロンティア〜月尾嘉男先生講演会 |
三日連続で強い雨が降りました。ビルの14階の職場から見ていると、一部の地区が真っ黒な雲に覆われているのが見えました。部分的な集中豪雨が心配です。 まったく変な天気です。
【月尾嘉男先生の講演会】 某業界紙の主催による月尾嘉男先生の出版記念講演会に参加しました。
月尾先生はメディア政策、システム工学がご専門で、IT伝道師などとも呼ばれながら道内では六つの私塾を設立・運営されるなど北海道の発展に少なくない貢献をされている先生なのです。
その月尾先生が昨年四月から今年の五月にかけてこの業界紙上で「月尾嘉男 北海道二十一世紀」と題する長期連載を続けられていたのをまとめて発刊したのが「未来フロンティア紀行〜北海道二十一世紀」です。
月尾先生はこの本の中で北海道開発の礎を築いたとも言われる探検家松浦武四郎の足跡をたどりながらこれからの北海道への多くの提言を寄せられています。
今日の講演は、直接的な本の中身というよりは、そんな月尾先生が「北海道、もっと元気出しなさい!」というメッセージをこめたお話でした。
月尾先生は北海道には年に30回は来ておられるそうで、「下手な北海道人よりも私の方が現地をよく知っていますよ。政治家は票のあるところにしか行かないし、役人は事業のあるところにしか行かないでしょ。私はそういうのとは関係がないから、本当に隅々まで歩くし、カヌーで川を下ります。道東だったら私が皆さんを案内しますよ」とまでおっしゃるくらいです。
今日のテーマは「立道」ということで、北海道が自立するためのキーワードを紹介しながらその優位点をご紹介してくださりました。
まずは「北海道は大国である」という認識からスタート。世界中には名前を聞くと知っている国がたくさんありますが、北海道(北方領土除く)の面積78000平方キロメートル、人口560万人、域内総生産19兆円というのは、わが本道だけでヨーロッパのいろいろな国と肩を並べるくらいの規模だという基本的な認識のご紹介です。 こうして改めて数字とグラフで見せられると、国という単位が案外小さなものである事に気付きます。
次が「観光立道」です。東アジア諸国の「行きたい観光地」の中でも北海道は日本の中で常に優位にあるのです。しかし実際に来ている外国人客は圧倒的にビジネスによる東京来訪が多いというのも事実です。
観光での収入が域内収入のどれくらいの割合にあるか、という事で調べると、例えばギリシャという国が6.15%で1兆2080億円だとか、トルコが5.52%で1兆840億円、ずっと下ってノルウェーが1.15%で2260億円、フィンランドが1.14%で2240億円あるのに対して、北海道ではなんと0.17%で325億円にとどまっている、という紹介がありました。 先生は「もっとアンビシャスなプランを立てましょうよ」とおっしゃいます。まだまだ可能性のある未開の産業分野である事がよく分かります。 観光への期待に北海道は応えなくてはなりません。
「エネルギー立道」では森林のバイオマスに期待が高まります。なにしろ森林のバイオマスは使っても年々増えるのですから、資源の少ない日本ではもっと有効に利用されて良い資源のはずです。
「移住立道」の可能性も高いでしょう。仕事よりも生活という人が確実に増えています。北海道は住みやすさを前面に出すことで、本州からの人をもっと招き入れたいものです。
先生はここで三つの指標を示されました。今までは地域内総生産というGRPという指標が良く語られていましたが、これからはGRCやGRHという指標で行こうではないか、というのです。
GRCとは「Gross Regional Cool」でCoolというのは格好良さということです。地域内の格好良さを比べてみようじゃないか、という指標です。
またGRHは「Gross Rigional Happiness」ということで、地域内総幸せ量というべきものです。経済的な発展で物が作られ動く事で我々の生活は成り立っていますが、その陰で失われている物も見つめながらトータルな幸せの分量で勝とうではないか、という応援メッセージのように受け止められました。
今回の著書も「未来紀行フロンティア」というタイトルが付けられています。「時代を変えてきたのはいつの時も辺境からなんですよ。徳川幕府は薩長が動く事で変わったんです」
北海道、そして北海道民がフロンティアという自覚をもって行動出来るかどうかが問われています。行動出来るのは自分自身だけなのです。
さっそくこの本を読んでみる事にします。ちょっと表紙がすごいけど…。
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