結婚と不倫と離婚の間
蒲公英



 結納直前の電話

そういえば、結納の数日前、夫と知り合う前から大好きだった人から電話が来ました。その人とは時々電話で近況を知らせ合う、兄妹のような関係でした。でもそうなれるまでには相当辛かったです。私はその人を大好きだったから。本当は結婚したいと思ってました。でも、その人は、体が弱く、そのために結婚は一生しないと決めていると言って、私とはずっと友達以上恋人未満の関係でした。
私は結婚が決まった事を彼に話しました。以外にも彼は絶句していました。
「それで後悔はないの?」と何度も聞かれました。
「うん、もう決めた事だしね。」

電話を切って数時間後、もう一度彼から電話がありました。
「結納、取りやめれない?」
「え?! 出来ないよ、今更。何言ってるの?」
「お前が自分から離れてしまうなんて思ってもなかったから...」
彼は自分の体調が回復に向かっていることと、私への思いを話してくれました。
「けど、もう遅いよ...」
私は彼の言葉がすごくうれしく涙が出るほどだったのに、あっさりとそう答えてしまいました。
彼も弱々しく「そうだよな...」

電話を切って私はわんわん泣きました。
「今更遅いよ!」と大きな声で泣きました。
 本当は、まだ十分間に合ったのに。




↑エンピツ投票ボタン

My追加



2002年02月14日(木)
初日 最新 目次 MAIL


My追加