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| 2004年07月02日(金) |
1歳6ヶ月27日目:延命措置は… |
今日は家でゆっくり横になっていました。 なっちゅんは、今までの空白を取り戻そうとしているかのようにベッタリで、わたし達は寄り添って眠ったり、遊んだりして充実した時間を過ごしました。
パパの勤務時間は9時半から18時までで、大抵残業をして帰ってくるのですが、珍しく18時に携帯が鳴りました。 わたしは「帰るコールかな?」と思って電話に出たのですが、パパの様子がただごとではありません。 「おとうちゃん、危ないらしい!詳しいことは帰ってから話すけど、家族全員で来て欲しいって言ってる。」
目の前が、真っ暗になりました。
パパの帰りを待つ間、松本へ帰省するための準備をします。 なっちゅんのご飯や下着など、荷物を詰め終わった頃にパパが帰宅しました。 話を聞くと、お義父さんの肺は飽和状態の酸素を吸入しても、良くて80%の後半くらいにしかならないそうです。 そして毎日レントゲンを撮っているのですが、どんどん悪くなっているとのこと。 パパは携帯で直接先生と話をしたのですが、本当に危ないらしく、家族全員で動揺してしまいました。 延命措置をするかどうか、家族全員の総意が欲しいので、とにかく病院に来て欲しいというのです…。
車を凄い勢いで飛ばして、病院へは22時半ごろ到着しました。 病棟へ行くと、ナースステーションにお義母さんの姿が見えたので、そこに行くと…。 お義母さんが、泣いていました。 どんな状態になっても、気丈に振る舞っていたお義母さんが、泣いているのです…。 先生と、お義母さんの前にレントゲンが4枚あり、そのレントゲンを見ると一目瞭然でした。 カンファレンスルームに移動して、お義父さんに付き添っている下の義妹を除いて全員で先生の説明を受けました。 みんな目を真っ赤にして泣いています。もちろん、わたしも…。 先生は、今日明日が山だと言います。 わたし達の話し合いがすむまでは、帰宅せずに待っていると言ってくださり、先生は部屋を出て行きました。 そして、わたし達の結論はすぐに出ました。
延命措置はしない。
お義父さんは、どんな状態でも、今でさえ、「今が自分の正念場だ。」と言って病気を治すために戦っています。 最後の最後まで、戦わせてあげたいのです。 それは、毎日泊まり込みで看病しているお義母さんが望むことでもありました。
わたしは、なっちゅんがいるということで、ひいおばあちゃんと一緒に家で待機することにしました。 家まで、お義父さんの甥っ子のおじさんが送ってくれたので大助かりです。 家に着いたのは1時頃でしたが、変な時間に起きてしまったなっちゅんはハイになってしまい、なかなか眠ってくれません。 しかもひいおばあちゃんが「お茶にしましょう。」とか言い始めて、「お腹が空いたから、ご飯でも食べようかねぇ。」と言います。 こんな夜中なのに、ひいおばあちゃん、元気です。(笑) わたしは流石にご飯は無理だったので、お茶だけいただきました。 ひいおばあちゃんは「コロッケを作ろうと思って、中身だけ仕込んだんだけど、丸めようとした時に病院から電話があって呼び出されて…。まぁ、中身だけでも美味しいから。」と、ジャガイモと挽肉が混ざったものをおかずにして食べています。 すると、なっちゅんが。 ひいおばあちゃんの膝に座り、口を開けているではないですか! 「食べさせてもいい?」とひいおばあちゃんに聞かれ、「はい。」と答えると大喜びで食べさせ始めました。 なっちゅん、美味しそうに口をもぐもぐ。 「もっとちょうだい。」のベビーサインまでしています。 ひいおばあちゃんに「よっぽど、それが美味しいみたいですね。」というと「お味が良かったのかねぇ。喜んでもらえて嬉しいよ。」と満足げでした。 なっちゅん、甘え上手です。 結局布団に入ったのは2時すぎ。 でもあまり眠れませんでした。
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