今日が締め切りのレポートを、なんとか朝書き終えた。 昨日から2時間しか寝られなかったが、提出しに大学まで行く。 そのために午前中は会社を休んだ。
レポートを提出し、とんぼ返りで会社へ向かう。 午後からの仕事には間に合ったが、 寝不足から来る体のダルさから仕事に身が入らない。 プロジェクトは今が丁度最後の仕上げというところなのだが、 オペレーションも投げ遣りになってしまう。
それでも終わるまでは帰れない。 結局終電になってしまった。
ヘトヘトになりながら、地下鉄のホームで終電を待つ。 こんなことは普通死ぬ前に考えるものだ、と思いながら ぼんやりとした頭で、いままでの人生を振り返った。
いい人生だったかというよりも、 人並みに生きているか、ということのほうに関心が行ってしまうことが、 自分では少し情けない。 がそれも人間臭くて嫌いというほどでもない。 僕の周りには、幸福にも多くの人がいてくれて、 ほんの少しずつだけれど、時々気にしてくれていて、 僕も、そんな人たちのことを少しずつ気にしていて。
大きな病も無く、苦しいトラウマがあるわけでもなく。 それなりの勉強をし、それなりの職につき、 不味い物は食べなくても生きていける。 取り立てて大きな不満も、大きな要求もあるわけではない。
物足りなさを感じるにはあまりに恵まれているようにも思う。
ここ1年で、少なくとも今の僕が感じている物足りなさの正体が分かってきた。 それは「ポジション」ということ。 自分が他人に出来る僅かなことを、惜しみなく与えられるように、 そして僅かながら見返りを享受し、心を満たすために、 社会の中で、人の輪の中で、そのポジションに立ちつづけること。
僕には、その場所も、心構えも足りなかったのだと思う。
前に進む前に、前を向きつづけることの難しさを感じながら、 椅子から立ち上がった。
地下鉄の到着を予告するように強い風が吹いた。
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