昼前までごたごたと家事をしたりしていたのだが、 昼を過ぎてにわかに軽く頭痛を覚えた。
昼寝をすれば楽になるかな、とソファーに寝そべり、 昨日買った上着を体に掛けた。 テレビの音も遠くで聞こえるくらいの音量にして、 目を閉じる。
ここのところ、寝てはいても頭が常に働いているような感じがして、 寝ていても疲れが取れなかった。 今日も今日で、もう一つの仕事のことが気になって 昼寝をしようかどうか少し悩んだのだけれど、 ちゃんと休むことを第一に、と理由をつけて眠ることにした。
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子供の頃、僕は母が働いていた伯母の家の近くで一人で遊ぶことが多かった。 母も目が届くところに子供がいるので安心できるし、 僕は僕で近くに一緒に遊べる同級生もいたので別に不便もしなかった。 同級生がいないときは、伯母の家に戻ってよく寝ていた。 誰もいない広い今よりもテレビのあるダイニングの方がお気に入りで、 そこで子供にはよくわからないドラマやスポーツを掛けっぱなしで 昼寝をすることが多かった。
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いまでも昼寝というと、遠くでテレビの音を鳴らせて、 寝てるのか起きているのか分からない、 眩しい光の差し込む水中を漂っているような感覚を伴わせる。
乳白色のその眠りは、いつも僕を漂白するかのようだ。 そしてそこから目を開ければ、いつもよりほんの少しだけ広い部屋で 僕は存在していることを確認する。
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