雨が少しづつ降ってくる夜に 帰り道 もうすぐ家につく道を 傘をさして歩いていく
街の小さなイタリア料理屋の主人が 向いのクリーニング屋の店主と 笑って話しながら 看板を店の中に入れる
角の本屋のおばさんがいそいそと 気難しい表情で 雑誌をかかえて中にしまう
何気なく見ていた人達の風景が なぜか今日はとてもあたたかで 人のいとなみを見ているだけで 幸せな気持ちになる
人が人のために仕事をして 今日いちにちの仕事を終えて そして安息の眠りについてゆく時間 そんな風に いろいろの人が 息づいてつくっている街
街も 人も ほんとうは それほど わるいものじゃないのかもしれない
そして明日もまた 朝がくれば 人は起きて うごきだす この小さな街
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