鳥を見ました 茶色くてふわふわして くちばしで羽根をつついていました その鳥を見ていたらもう 気持ちがおさえられませんでした その鳥にそっとそっと うしろからしのびよって 前足の爪をしまいこんで 音を立てないように そして後ろ足を屈伸して 思いきり飛び跳ねました 全身に力がみなぎるのを 感じました 鳥のやわらかな羽根が 羽毛が舞いあがりました あたたかな身体でした それでもう私は夢中でした 鳥をくわえて走りました だってご主人はいつも 私を撫でていてそれだけで 私が鳥を獲る力を持っていることも わかっていない だからこそ今日はやりました まだあたたかな鳥をくわえて つばさをおさえて まっしぐらに軒先に走りました 鳥はしんなりして息はかすかでした 夕食はこの鳥にちがいありません 途中、隣町のネコが目を光らせていましたが 私は目も合わせませんでした 500メートルほど走ったその我が家の 軒下に鳥を置きました 鳥をくわえた歯に羽根がまとわりついていたので 前足でなめて顔を洗いました そうしてご主人がやってきて 目をまるくして私を褒めてくれるまで 家のガラス戸を見上げて ただ待っていました
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