風にふわりと 〜こころのすきま〜


この手につかむために


ほしいものがたくさんある。
手の届きそうにない代物ばかりだ。
でも夢にするには現実と近すぎて、
あきらめきれないない代物ばかりだ。

努力しつづければ報われるのかな。
いつかはこの手につかめるのかな。

自問自答しながら階段を下りていたら、
ふと忘れ物に気がついた。
気をぬいたわたしは、三段一気に滑り落ちた。
目の前には大きな鏡。映るのはわたし。
鏡に映ったまぬけなわたしに向かって、
心の中でつぶやいてみる。

自由に生きればいいじゃない。

自分で測れない希望があるなら、
捨てる必要なんてないとも思う。
たくさんあるほしいものが遠くにあっても、
生きてゆく姿がそれなら、
いつかは手に入れられるかもしれないと思う。

すると、少し納得した鏡の中のわたしは
なんだか照れくさそうに回れ右して、
滑り落ちた階段を一気に駆け上がっていった。



2004年05月19日(水)



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Akira
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