2011年07月26日(火)  素敵な魔法(後)
 
その焼き鳥屋のもつ煮は持ち帰りもできるので仕事帰りに道路から面した窓越しにもつ煮を注文すると「今日はおうちで食べるの?」と女将さん。妻が一度その世界一美味しいもつ煮を食べてみたいと言うものでと言うと、「あらまあ大変。ちょっと多めに入れとくわね」と気兼ねなくサービスしてくれるところが本当に昭和の香りがして、この店だけ魔法にかかっているような気がしてくる。
 
味音痴のあなたが美味しいっていうものってどれほどのものかしらと訝しげにもつ煮を見るクールビューティな妻が、頬張った瞬間、ホットビューティーになった。「美味しい! なにこれ! 本当に美味しい!」と、珍しく興奮。「でしょ?」と、得意気になった私に、「いいわね仕事帰りに飲みに行ってこういうの食べられて。私もゆっくり愚痴でもいいながらビール飲んでもつ煮込み食べたいわ」と、妻の一言で魔法が解ける。否、社会の呪縛という呪いを解いているのかもしれぬ。
 

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