2011年07月25日(月)  素敵な魔法(中)
 
まことしやかに部下と囁いているのだが、この焼き鳥屋、実は実在しない店で俺らは何らかの魔法を掛けられていて、ただ雨水を飲んだり落ち葉を食ったりしているだけで、ある日この店を訪れると荒れた空き地。隣の店の人にここに焼き鳥屋ありませんでしたかと訊ねると、「懐かしい話だね。地元の人かい。隣の焼き鳥屋だなんてまだ東京タワーが立ったばかりの頃の話だよ」と、狐につままれたような感じ。どおりで焼き鳥や他のメニューの値段が相場よりかけ離れて安かったわけだ。素敵なノスタルジーの魔法。「いいわねそうやって飲みに行けて。私もゆっくり愚痴でもいいながらビール飲んで焼き鳥食べたいわ」と、帰宅後の妻の一言で魔法が解ける。否、社会の呪縛という呪いを解いているのかもしれぬ。
 

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