2010年10月06日(水)  たまには真面目に闘争を(9)
「では始めましょう。この度は鍵の紛失の件でご迷惑をお掛けし、大変申し訳ありませんでした」
 
会議開催の口火を切り、周囲を見渡して謝罪。役員4名に「なんだか勉強になるかなと思って」と、ただの野次馬のようなオバサン1名、計5名。バッグより今回役員のポストに投函した書面を入れたファイル、その両脇に何も言わずに左側にipod touch、右側にmp3プレイヤーを置き、両手にはボールペンとメモ帳を持ち「では、この書面に沿って進めましょう」とファイルを開いた。
 
【ポイント5.主導権は渡さない作戦】
会議を進める主導権が役員側が持ったら5対1の多勢に無勢。不利な要求受諾に傾くことは確実である。

よってここは強引に自ら「では始めましょう」と、会議の開催を宣言し、会議の進行を仕切る役に徹する。呼ばれた者が会議の主導権を握っても不自然に感じないのは、これまでの作戦全てに布石を打っているからである。
 
【ポイント6.俺は新人類とかベンチャーとかそういうの作戦】
事の発端が、古い人間(役員3名が推定50代以上、1名が40代。オバサンはオバサン)が若い者に対して公的にいちゃもんをつけたいという潜在心理によって発せられている。よって私は今時の若い者である。それを利用してガジェット(目新しい道具、携帯用の電子機器)を活用する。
 
活用も何もただ机上に置くだけである。ipod touchはきっと役員もその存在を知ってはいるだろうが扱ったことがあるわけでもなく、緊張した会議の中では外で見る以上に得体の知れないものとなる。この状況で得体の知れない物に対してポジティブに受け取る物はまずいない。ipod touchは電源を入れなくてもネガティブメッセージを発生させる有能な機器となる。
 
なぜこの場に突然ipod? 謎が謎を呼び、気になる者は神経が散漫になり会議の導入部分に遅れて入ることになる。

そしてイヤホンを外してあるmp3プレイヤー。もしかしてこの会議録音されるのでは? という危機感を出席者すべてに抱かせる。その危機感を抱かせることにより、常日頃より無責任な発言をする者は自然に発言に抑制がかかる。無責任な発言をする者は往々に言葉が汚く、感情論に傾きがちなのでここは何としてでも抑制しなければいけない。
 
録音するのか問われたら、このmp3プレイヤーに録音機能はないけれど、どうせ周りは皆わからない人達ばかりなので録音すると宣言する。しかし、「録音するのですか?」という発言自体が50万も請求するという後ろめたさにより発せられるため、その後ろめたさを隠す意味でも「録音するのですか?」と質問する者はないように思われ、実際にこのガジェットに関して質問する者はいなかった。
 

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