桃屋の辛そうで辛い、辛いようで辛くない、え、なんだったっけ。辛そうで辛くない辛そうな、いや違う。辛そうで辛くないちょっと辛い、え? そうそう。辛そうで辛くない少し辛いラー油がどこにも売ってないので、手に入らないという事実が拍車を掛けて禁断症状が出て辛い。あれは辛いって書いてるけどつらそうでつらくない少しつらいラー油だ。つらい。寂しい。類似品に浮気をしてしまった自分を後悔している。お願いだから早く再出荷してほしいなんてことをナースステーションでまくし立てていたら年配の看護師さんが「じゃあ私作ってきてあげる」なんつって、だーかーらー類似品じゃダメなんだよー。桃屋のラー油がいいんだよー。なんて言えるわけがなく、「え? ホントっすか!」と、くだんの調子でヘラヘラ笑いながら依頼し、でも桃屋がいいんだよなーと無礼至極なことを考えながら翌々日を迎え、「はいラー油。お待ちどう様」と看護師さんに渡されて、でも桃屋のラー油がいいんだよなーという思いを払拭できぬまま夕食に手作りラー油を食べたところ、桃屋のラー油の10倍美味しかったので桃屋の思いを払拭できずに看護師さんの手作りラー油を軽視していた我が身を恥じ、翌日看護師さんに「正直桃屋のラー油には勝てないと思っていましたけど、桃屋のラー油が東京タワーだとしたら、手作りラー油はスカイツリー、いや、エッフェル塔クラスでした」と、この熱き思いをイマイチ伝えきれず2010年初夏。 |