2010年01月01日(金)  三面楚歌。
 
先日の大晦日。職場の謎の集団で結成された謎の集団が突然ナースステーションの大掃除に参って、所定の場所にない物全てを綺麗さっぱり処分していった。
 
僕は比較的特別な仕事をしていて、ある一つのナースステーションを一人で使用していて、そこを拠点に残りの病棟を往来しており、いわば僕のナースステーションは僕の部屋といっても過言ではなく、時々優しい看護師が掃除をしてくれるのであるが、おおむね混沌に支配されており、いらぬ書類と重要書類が同じ場所に積み重なり、同時に様々な人間の思惑も積み重なっているということはどうでもいい。どこいった。あの処分された書類などは。
 
あれがなくなると非常に困ることになる。まず今月〆切を迎える、とある医療記事の内容。文字数とかページ数とかテーマとか、あと報酬とか書いてある出版社からもらった書類ね。次にないと困るやつが2月に参加する予定のシンポジウムの詳細。最後にどこかの大学に呼ばれているパーティの参加状。
 
とりあえず上記3つね。血眼になって病院中探したんだけれど見つからなくて、悔しいけれども謎の集団の一人に「日頃から整理整頓を怠り、誠に申し訳なかった。私の部屋の大切な書類達をどうか返してほしい」と、頭を下げて言ったら、「あれホント捨てましたよ」と尋常な口調で申すので、忘れてた。ホント忘れてた。ここはそういう職場であった。
 
臨床現場を知らない人間で結成された集団は、ナースステーションを大掃除しろという命に実直に従い、現場を知らないため何が大切で何が不要かわからぬので、とりあえず目の前に広がるものを全て処分する。そんな冷酷無比な方策を平気で講じる職場であったここは。そういう考え抜いた故のシンプルさが好きでもあるんですがね、そういう洒落にならない本気さも好きではあるんですがね。
 
というわけで僕は今月〆切の原稿のテーマを知らないまま、文字数も適当にブログの日記のような稚拙な文章で近代医療を語り、医学書院という知る人ぞ知る有名出版社の顔に泥を塗り、2月にシンポジストとして呼ばれているシンポジウムもテーマも場所もわからずに、2月の何日かすらもわからなくなったので、2月の、まぁいいや12日くらいにふらっと街に出て、シンポジウムをやってそうな建物に入り、「今日ここで僕のシンポジウムやってますかね?」と聞き歩き、同様、どこかの大学に呼ばれているパーティも何を祝うパーティか忘れてしまったが、常にフォーマルな恰好をしておれば誰かから声が掛かるかもしれぬ。

元旦から既に三面楚歌。残りの一面からひょっこり顔を出し明けましておめでとうございます。
 

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