2007年03月06日(火)  言葉の向こう側。
 
『日本人は知っている。うまいは、甘い。』というキリン生茶のキャッチコピー。CMでも松嶋菜々子が言っている。日本人が知っているというのなら勿論僕だって知っているということになる。うまいは、甘い。まぁそうかもしれん。そうかもしれんが、うまいは甘いと言ったらしい北大路魯山人のことは全く知らない。
 
「ありがとう。北大路魯山人。あなたの教えから、新しい生茶ができました」なんて松嶋菜々子はやたら北大路魯山人に感謝しているが、なんか勝手に感謝して勝手にペットボトルのお茶に「うまいは、甘い。」という概念を転移させて貴様も日本人なんだからうまいは甘いと思うはずだ。よって飲め。買え。と強要しているように思えてならんよあの松嶋菜々子の笑顔は。
 
旦那は旦那で同じメーカーのコーヒーのCMで機長に扮し、不気味なキャビンアテンダントを引き連れて振り返って「挽きたてプリーズ」なんて不気味な台詞を発しておる。世の中こんな無意味な言葉で溢れている。
 
御ハナは言う。「うぇぉうゎおうおう」何言っているのかさっぱりわからない。だけど、うまいは甘いだの挽きたてプリーズだの意味不明な言葉よりも僕の心にすっと入ってくる。それは真実を述べているから。素直な気持ちを表現しているから。たとえ解釈ができなくても、それは意味も言語も文法も全て省いた純粋な言葉だから。純度100%の語彙だから。
 
今日も御ハナの喃語に耳を澄ます。静かに目を閉じて無意味とも思われる御ハナの喃語を頭の中で解釈する。「父よ。そんなことより早よ働け」御ハナは笑いながらそう呟いた。
 

-->
翌日 / 目次 / 先日