2006年12月21日(木)  実家に帰ります。
 
御ハナが寝静まった夜、二人でテレビを見ていたら、「……鹿児島、帰りたかったら帰っていいよ」と、妻が呟いてビックリした。
 
田舎に帰りたい。この言葉、ずっと言いたくて言い出せなかった言葉なのだ。実際問題、この先鹿児島に住むことはないだろうし、僕自身、今すぐにでも田舎に帰りたいとは思ってはいない。ただ今後、可能性として鹿児島に帰る選択肢が出てくることがあるかもしれないということだ。
 
例えば育児に関しても、僕はそんな私立の小学校とか中学校とか躍起になって進ませようなどとは思ってはいない。世の中で知識が必要なのは多分半分程度で、あとの半分は、要領と忍耐力と優しさなのだ。損得勘定を考慮せずに行動して時に損をしても、結果的に誰かが助かれば、それが人間というものだ。
 
利己的に行動するのは誰だってできる。でも優しさを持って生きるということは昨日今日でできるようなことではない。御ハナは、そんな優しさを持った人間になってもらいたい。だから、もし教育で、環境で、僕が住む田舎が好ましいと思ったら、僕達は鹿児島に帰るかもしれない。山があって海があって、鳥が飛び牛が鳴き、穏やかな人たちがいる場所に。
 
妻も同じことを考えていたのだろうか。鹿児島に帰っていい、妻にとって全く知らない場所に住んでいいという妻の決意に僕は心を打たれた。いつも物静かにあらゆる物事を真剣に考えている。妻はそういう人なのだ。
 
鹿児島に帰らないけど、いつでも帰れる。そんな選択肢が増えただけで、随分気持ちが軽くなったような気がした。
 

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