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| 2006年10月02日(月) 僕のライバル。 |
| 鹿児島の実家に、僕と妻が台湾の写真館で撮影したポスターのようなでかい写真が貼ってあるそうで、あまりにも韓流的な笑顔と雰囲気に僕たちは見るのも恥ずかしいのだが、母は大のお気に入りで、来客のたびにこのポスターを見せているそうである。恥ずかしくて実家に帰れない。 このポスターを気に入っているのは母だけではなく、下の妹の子供である1歳の甥も、ポスターに写っている妻の笑顔を見ては指をさしてニコニコしているという。指さすだけでは物足りず、ダッコしろ、ポスターに写る妻と同じ高さにしろと母親にせがむという。とてもいいことだ。あの写真を撮影した頃は確か妊娠6ヶ月。写真越しに強い母性ならびに聖母マリアみたいな美しさを感じるのかもしれんね。よかったよかった。 「それがね……」 と、電話越しの妹。どうしたんだ。あのポスターもう1枚欲しいのか。それは無理だ。あんな辱め、あの1枚だけで充分だ。だいたいポスターにするこちゃあないだろう。しかもなんか上等な紙使ってるでしょ。布みたいなやつ。アルバムとか六つ切り写真とかと一括で支払ったから値段はわからんけど、きっとすげぇ高いんだと思うよ。もう1枚だなんて無理だよ。 「違うの。横に写ってるお兄ちゃんの顔を見せると、すごい不機嫌になるの」 ななななんということだ。7月の結婚式で東京に来た時、これでもかとばかり子守りをしてやったのに、我が叔父の顔を忘れたうえに不機嫌になるとはなんたることだ。 「でもね、今日はお兄ちゃんのほうを指差して、私にダッコをせがむのよ」 ほほぅ。ようやく僕の笑顔に魅せられましたか。1歳にしては大した赤子だ。何をそんなに暗い声をしているのだ。見せればいいではないか。叔父の顔を間近で見せてあげればよいではないか。 「で、お兄ちゃんの顔に近付けた瞬間、江戸の敵を京都で討つみたいな顔して、お兄ちゃんの顔を思い切り引っ掻いたのよ!」 ムカつく。オチを言うあたりから、暗い口調から笑いを噛み殺すような口調になった妹がムカつく。甥は数十年後、ライバルになるかもしれんから気を付けなければいかんね。 |
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