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| 2006年09月16日(土) 辛いエビ。 |
| とある映画を妻と見ていて、アメリカの田舎で「Sweet Shrimp」という名の、車がそのまま厨房になっているような店で、その店主が客に「辛いエビと普通のエビ、どっちがいい?」と訊ね、客が「じゃあ、辛いエビ」と言って、店主が中華鍋でエビを炒めるというシーンがあり、映画のストーリーよりも、その辛いエビ、そしてファーストフードとしてのエビに多大なる興味を抱き、妻が今夜何食べたい? と訊ねるたびに「あの辛いエビが食いてェ」と言い続けてきた。 実際、その映画ではエビを炒めるシーンだけで、どんな味付けなのかどんな仕上がり具合なのか全くわからないのだけど、「辛いエビ」を使い捨てのパックか何かに入れて、道傍で殻を飛ばしながら貪るというアメリカンな感じが何ともいえず、あの辛いエビが食いてェという欲求は日に日に増すばかりであった。 そんな鬱積した日々を送っていたある日の夜、仕事から帰ると妻が何かを企んでいるようなニヤニヤした笑みを浮かべている。なんだ気持ち悪い。飯や飯やー。飯がなかったら酒出さんかーい。芸のためなら女房も泣かすー。それがどうしたごめんなさい。先にお風呂入ってくるね。と、いつものようにそそくさと入浴の準備を始めると、待って待って今日は先にご飯食べましょ。と、妻。 居間に行き、テーブルを見ると……! 皿にエビが盛ってある。しかもニンニクとか鷹の爪とか乗っていてスゲェ辛そうだ。こ、これは紛れもなく辛いエビだー! ねぇねぇ見て見て辛いエビだよー! と、まるで僕が第一発見者のように妻を呼んで興奮している。 「あの場面ね、よく見てなかったからよくわかんなかったんだけど、辛いエビ、作ってみました」 萌え! 妊娠してなかったら絶対その夜エッチしてるってくらい萌え! 僕が阿呆のように「辛いエビが食いてェ」と言い続け、その度にどうしようもない亭主をもらったものだと困った笑みを浮かべていた妻は、僕の戯言を真剣に考えていてくれたのだ。もうその気持ちだけでお腹一杯。そしてこのまま幸せ一杯な気分でいただきます。 食ったことないけど紛れもなくあのシーンの辛いエビだった。毎日幸せありがとう。 |
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