2002年11月29日(金)  今なら1500円よ。
プルルルル……プルルルル……
 
「あ、おはよう」
「今何時だと思ってんのよ」
「うん……と、10時20分だね」
「予約したの何時?」
「うん……と、10時だね」
 
友人がいる美容院に行った。10時に予約して11時に行った。
「寝てたでしょ!」「起きてたよ!」「寝てたでしょ!」「起きてたよ!」
という問答を5分くらい繰り返してからまずはシャンプー。
 
「髪、めちゃくちゃ傷んでるね」
「うん。髪の毛は僕の心のバロメーターなんだ」
「何言ってんのよ」
「なんでもないよ」
「じゃあ特別なトリートメントしてあげる。今なら1500円よ」
「先月も『今なら1500円よ』って言ってたじゃないか」(2002/10/17参照)
「今月も今なら1500円よ」
「来月は?」
「来月は、ダメ、15000円」
「高けぇなおい!10倍かよ!」
「嘘よ」
「わかってるよ。来月はいくら?」
「来月も今なら1500円よ」
「やっぱり」
 
友人が努めるこの美容院は、とてもシンプルで、すごくオシャレで、かなり安い。
 
「安いのは私がいるからよ」
「キミが安いってこと?」
「アンタもう帰ってよ」
「今なら1500円よ。なんてね」
「店長、このお客さん私のお尻触りました」
「触ってねぇよ!」
「指も使いました」
「使ってねぇよ!」
「フィンガーファイブヴィダルサスーンです」
「ワケわかんねぇよ!」
「私のこと好きなくせに」
「なっ……!」
 
結局、今日はトリートメントとカットとパーマを破格の値段でしてもらって
週末に会う約束をして
 
「ていうか今日ってもう週末でしょ?」
「じゃあ明日の夜会いましょ」
「うん」
「今なら1500円よ」
「ウ、ウソ!」
「嘘よ。そんなに安くないわよ」
 
給料日前の僕の週末は1500円では済まされそうではなさそうだ。

-->
翌日 / 目次 / 先日