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| 2002年10月25日(金) 秋の夜空とラリアット。 |
| 昨夜はとある女性とプロレス観戦に行った。 とある女性というのは友達以上恋人未満の微妙な関係の女性。 一緒に食事には行くけど手は繋がないし、部屋に遊びに来るけどセックスはしない。 とまぁ、そんな女性とプロレス観戦に行った。 鹿児島はこの季節になると毎年新日本プロレスが興行に来る。 熱烈なプロレスファンの僕は、この季節になると決まってプロレスのことを全然知らない女性を誘う。 そんな女性と行くプロレス観戦は、アントニオ猪木がまだ現役のプロレスラーだと思っているような女性に 懇切丁寧にプロレスの歴史やレスラーの必殺技を説明することが醍醐味なのだ。 「あのマスクかぶってる連中はね、魔界倶楽部って言って、まぁいわゆる悪役レスラーなんだ」 「ふ〜ん。なんだかあんまり怖そうじゃないね。あっ!橋本だ!」 「違うよあれは蝶野だよ。僕らのカリスマだよ。T2000のボスから新日本のボスになった偉大な人だよ」 「ふ〜ん。コスチュームが魚屋さんみたいだね。あっ!いけっ!ラリアット!」 「うん。あれはね、バックドロップっていうんだ」 僕はプロレスの技が全部「ラリアット」だと思っているこの女性に好意を抱く。 僕の説明なんてほとんど聞かずに筋肉と筋肉のぶつかり合いに目を輝かせる。 そしてプロレスという排他的でもある世界にこの秋新作のレザーブーツで足を踏み入れたことを歓喜する。 「はぁ〜面白かったぁ。また一緒に来ようね」 興奮冷めやらぬ彼女は顔を少し紅潮させて、僕のお尻にキックをする。 IWGP王者、永田裕志のシャープな左ハイキックに痺れてしまったらしい。 「うん。また一緒に来よう」 僕はそう言って透き通った秋の夜空を見上げる。 僕が毎年この季節になると決まってプロレスのことを全然知らない女性を誘うのは、 いくらプロレスのことが好きになっても、翌年に僕のことが好きじゃなくなるから。 |
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