2002年08月16日(金)  見たこともない花が咲くでしょう。
時々、無性にラーメンが食べたくなるように、無性に結婚したくなる時がある。
 
無性に結婚したいといったって、所詮ラーメンの衝動と似たようなものなので
それは暫くすると、台風一過後の電線にぶら下ったどこかのベランダから飛ばされたTシャツのように
小さな憐れみだけを残して消え去ってしまうのである。
 
だけど、食器を洗ったり、家賃を振り込んだり、光熱費が引き落とされたり、ベランダで洗濯物を干しているとき、
ふいに、結婚がしたくなってしまう。
 
別に家事が嫌いなわけではなくて、ただ、そういうものの、雰囲気に、
食器にしたって家賃にしたって光熱費にしたって洗濯物にしたって
そういうもの一つ一つに孤独の影が潜んでいると、どうも参ってしまう。
 
ただ、それを現実的なものとして考えると、どうも滅入ってしまう。
僕を取り巻く今の状況で、今の心境で、今吸っている空気の中で、
結婚なんて遠い夢物語だ。僕が結婚する頃にはタイムマシンだってできてるよ。
 
案ずるより産むが易しで、結婚してしまうと、結構楽しい生活が送れるのかもしれない。
「お前は考え過ぎだよ」なんて結婚した友人からよく言われるけど、
その通り考え過ぎかもしれない。僕は往々にして、物事を考え過ぎてしまう癖があるんだ。
 
1つの物事に枝を付けて、その枝に葉っぱを付けて、花を咲かせて、根を張って、
水をかけて、光を与えて、大きく繁らせて、冬になるとあっという間に枯れてしまうんだ。
 
結局、僕は弱虫で、いつも何かに怯えている。結婚生活だって、例外じゃない。
いつまでも自分に自信の持てない僕は、世の中を上目遣いで眺めながらビクビクしている。
 
部屋のドアを開けるともう夕食は出来上がっていて、僕の奥さんが笑顔で話し掛けるんです。
 
「あなたお風呂にする?食事にする?それとも別れましょうか?」

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