2002年06月15日(土)  内緒の話。
内緒。 
内緒の話。潤んだ唇を僕の耳にそっと寄せて、内緒の話。
えとね、実はね、うふふふふ。
そういう話に関しては、僕は往々にして耳を塞ぎます。
聞いている振りをして、頭の中に入れないようにしています。
 
内緒。
内緒の話。僕たちは5人で酒を飲んでいました。
僕は2人と話をしていて、そのうちの1人が小声で何やら囁き始めました。
そのうち1人は興味津々の表情で、その会話に耳を傾けます。
残りの2人は何を話しているのだろうか、と、表情には出さないけど、気になっている様子です。
僕は、「ちょっとトイレ」と席を立ちます。
トイレで意味もなく手を洗いながら小さな溜息をついて自分が映っている鏡を見ます。
 
内緒。
内緒の話。女性は往々にしてヒソヒソ話が大好きです。
殊に看護婦さん。白衣と注射と噂話で成り立っています。
なんだか静かなる仁義無き闘いが毎日繰り広げられています。
昨日の敵は今日の友達で、明日になればまた逆になったりしています。
大事な仕事の話かと思って寄ってみたら、誰々の勤務態度が云々。という話。
僕はそのまま愛想笑いを浮かべながら通り過ぎるのです。
仕事しましょうよ。と暗に伝えながら。
 
内緒。
内緒の話。今日も1人で内緒の話。僕は僕に話し掛けています。
胸の内を誰にも伝えられずに内緒の話。
君にも聞こえないヒソヒソ話。えとね、実はね、うふふふふ。
あ、聞こえた?今のは聞かなかったことにして頂戴。
 
内緒。
内緒の話。えとね、最近思うんだ。人の為に何かしてみようって。奉仕の精神ってやつ?
ほら、24時間テレビ。あのボランティアやってみようかなってね。
だって、あの黄色いTシャツ。タダで貰えるんだよ。

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