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| 2002年05月18日(土) 説教喰らう。 |
| 「あなたは何でもハイハイハイハイ返事しすぎなのよ」 職場の事務のお姉さんに叱られた。 午後8時。1時間前に勤務時間は終わっているにも関わらず 1人事務室で、今日中に終わらなかった仕事をしている。 埃にまみれた何年も前のカルテを引っぱり出して 1人1人の患者のページを1枚1枚めくって、あるデータを収集しなければならない。 後輩に手伝うように頼んだけど「ちょっと着替えてきます」と言って ちょっと着替えてそのまま帰ってしまった。 涙ぐんで仕事の続きをしていると事務室のドアが開いた。 後輩が帰ってきたと思い、目を輝かせて振り向くとそこには事務のお姉さんが 缶コーヒーを持って立っていた。 事務のお姉さんは、やっぱりね。という表情をしながら「やっぱりね」と言った。 「あなたは何でもハイハイハイハイ返事しすぎなのよ。 これ今日中に仕上げてくれる?ハイハイ。 これ明日までに持ってきてくれる?ハイハイ。 このデータの集計すぐに取ってきてくれる?ハイハイ。 あなたはね、そういう仕事も得意かもしれないけど、それ以前に看護師なのよ。 患者さんを看てナンボの仕事してるんでしょ。あなたは本職に誇りを持ってるの? 婦長さんの右腕と呼ばれて満足してるの?院長の秘書と呼ばれて胸を張ってるの? カッコ悪い。あなたこれじゃ病院の歯車じゃない。職場の部品じゃない。 もっとね、イヤなものはイヤって言わないとダメよ。自分を犠牲にする意味なんて何もないんだから」 事務のお姉さんは息つく暇もないほどに僕に説教をして大きな溜息をついて 「で?私は何を手伝えばいいの?」 と、微小なる怒りと、多大なる優しさと、少しあきれた口調でそう言った。 半泣きの僕は 「これとこれとこれとこれとこれとこれのデータ取って下さい」 と怯えも遠慮も男気もなく言った。 事務のお姉さんはその仕事の最中もしきりにブツブツ言っていたが、 最後まで付き合ってくれて、見事に1日では無理かと思われたデータの集計を完成させた。 「あぁ、お腹空いたぁ」 事務のお姉さんはそう言いながらニヤリと笑う。 僕がおごらないわけにはいかなかった。 |
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