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| 2002年05月01日(水) 本当の日本料理。 |
| 連休中も仕事ばかりで、つい心が歪んでしまって 数日前のハワイやキャンプの日記など書いてしまったが、 そんな僕たち悲しい医療職への慰めの意味を込めて、院長先生のご馳走で、 この辺りでは少し名のある料亭に連れて行ってもらった。 いくら給料を貰った直後でも、いくら綺麗な彼女と寄り添っていても まず門をくぐることはないであろう佇まい。 高月給の院長先生だからこそなせる業。 僕と婦長さんと主任看護婦さん2人はすでに舌鼓を打つ準備は整っている。 院長先生は高月給だけど、僕のような若き主任は安月給。 雀の涙ほどの猫の額ほどの犬の肉球ほどの給料で、 高熱費を払って家賃を払って電話代を払って、はいおしまい。 そんな給料では、こんな料亭の門は敷居が高すぎる。 「なんでも食べていいよ」 なんて院長先生は言うけれど、メニューには松とか竹とか梅としか書いていない。 少し名のある料亭のメニュー表はいたって簡素だ。おまけに高い。 僕が料亭のイメージとしているエビスビールさえ置いていない。 「天然醸造麦芽酒」これが多分ビールのことなんだと思うけど、僕はキリン一番搾りで結構です。 座敷には聞こえるか聞こえないかの音量で、三味線が流れていて この音色はこの座敷のどこから聞こえてくるんだろうと思ってスピーカーを探してみたけど、 座敷の端から端まで観察してみてもスピーカーらしきものは見当たらなかった。 もしかして僕の頭の中で、その三味線の音色は高級料亭のイメージとして聞こえてきているのかもしれない。 「天然醸造麦芽酒」という気の抜けたビールのような飲み物を 小さなコップで2杯飲み終わった頃に料理が次々に運ばれてきた。 清楚な和服姿の女将さんは、僕をまるで子供を見るような目でニコッと微笑んだ。 「どうぞごゆっくり。本当の日本料理の味と風情を味わって下さい」 なんてどこかのキャッチコピーのような事を言って静かにふすまを閉めた。 本当の日本料理が2万円も3万円もするのなら、僕は毎日マクドナルドでも構わないと思った。 しかし、女将さんが本当の日本料理と胸を張って言っただけはある料理。 日頃スーパーの惣菜かコンビニの弁当しか食べない僕は驚きを隠せない。 院長先生に高級料亭に連れていってもらって、2万円の日本料理に舌鼓を打って 明日への活力を補うというゴールデンウィークを過ごしてみたいけど僕は仕事です。 |
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