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| 2002年03月06日(水) 野球バットに見る男らしさ。 |
| 数日前、近所で通り魔事件が発生した。 小学生が刃物で指を少し切られ、服を裂かれた。犯人はまだ捕まっていない。 「物騒な世の中になってきたねぇ」 といつもなら他人事のように話すのだが、いかんせん今回は近所で起こった事件。 全然他人事ではない。かといって僕と関係のある出来事ではない。 そう考えると少し怖い。道で擦れ違う誰かが刃物を持っているなんて考えたことない。 これからも考えない。考えることによって世の中が物騒になる。 職場に刑事が来た。「こういう顔の人に心当たりはありませんか?」 僕は初めてモンタージュというものを見た。 そのモンタージュは深いニット帽をかぶり、鋭い目でこちらを凝視し、右の首筋に黒い痣があった。 看護婦さんは僕に似ていると、本物の刑事の前で洒落にならないことを言った。 僕は犯人じゃないのに、なぜか動揺してしまった。 「僕には、アリバイがあります」なんて僕も洒落にならないことを言った。 まだ犯人は捕まっていない。 休日の夕方、物騒になった近所を散歩する。 近くの小学生は集団下校をしている。遠足にでも行くみたいにみんな手を繋いでいる。 1人の小学生の男の子が、その男の子より小さい女の子と手を繋いで下校していた。 左手は女の子の右手をしっかりと握り、右手にはプラスチックの野球バット。 僕はその男の子の幼いながらの男らしさに微笑む。 僕のベルトの位置ぐらいの身長で、同じ長さくらいのバットを振りかざしながら歩くその姿は、 本当に男らしかった。 |
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