2001年11月27日(火)  忘却の彼方の無邪気さよ。
僕は子供が好きだ。無類の子供好きだ。
あまり人前で子供が好きだと言うと、ロリコンなどと言われるのであまり口に出さないようにしている。
いわば隠れ子供好きだ。隠れ子供好きとか言うと一層ロリコンなどと言われそうな気がするけど。

友人宅に遊びに行って小さなベッドで寝ている赤ちゃんを見るととても羨ましく感じる。
子供は羨ましいけど結婚はまだしたくないので僕の望みが叶うにはまだ遠い話。
歌手にもなれないで紅白に出てみたいという願いと一緒だ。
物事はしっかりした過程を経なければならない。子供の前に結婚。結婚の前に恋愛。嗚呼。

「結構大変だよ」
つい最近パパになった友人が言う。まぁ、子育てって、大変なんだな。と思う。
きっと僕の子供好きは、ネコが好きとか犬が好きとかはたまた爬虫類が好きだとか
そんなものと変わらないと思う。

子供の哲学も思想もポリシーもない、その無邪気さが好きだ。

3日前の出来事。僕は池女さんと市電に乗っていた。
生憎、電車は満員で僕達は吊り皮に掴まっていた。
目の前のシートにはお父さんとお母さんに挟まれて5歳位の女の子が座っていた。
女の子はビニール袋に入ったモチを食べながらチラチラ僕達を見ていた。
僕は腹が減った仕草をしたり、口を大きく開けたり、おどけた表情をしたりして女の子の反応を楽しんでいた。
女の子は、そのモチを服の中に隠したり、僕達を上目使いで見ながら美味しそうに頬張ったり、
僕がア〜ンと口を開けると、「ハ〜イ」とモチを持った手を上げたりした。

目的地に着いたとき、僕達はその女の子に手を振った。バイバイ。
女の子も恥ずかしそうな顔をして手を振った。バイバイ。

「デートでしょ〜」

僕達が料金口へ向かおうとしたときに背後で女の子の声がした。
「デートするんでしょ」
振り向くと女の子が笑ってそう言っている。
「こらっ!どこでそんな言葉覚えたの!」母親が慌てて小さな声で子供を叱咤する。
「だってショージ先生が言ってたも〜ん」女の子は当然のようにそう言った。

ショージ先生という人が4・5歳の女の子にデートとは何たるかをどのように説明したかわからないが、
純粋で無邪気でモチを頬張る女の子には
男性と女性が一緒に市電に乗っていたらそれはデート以外の何物でもなかったのだろう。

最後に女の子がまた手を振った。僕達も笑って、また手を振った。

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