2001年08月16日(木)  隣に座る意味。
昨夜遅く、突然、友人に呼ばれてタクシーを呼んで、
待ち合わせ場所に指定されたバーに行った。
   
バーにつくと、友人はもうジーマを飲んでいた。
そのバーには、友人しかいなかったので、ドアを開けてすぐ友人のテーブルに行った。
店は空いているのに関わらず、友人は壁際についている小さなテーブルに座っていた。
しょうがないので、僕は友人の隣に座った。
   
友人は、深刻な顔をしている割には、「ただ暇だから呼んだだけ」という理由で呼んだらしい。
「僕はそんなに暇じゃないんだ。明日も仕事だし、読みかけの小説だっていっぱいあるんだ」
「だからそれが暇って言うのよ」
僕は黙っていた。これ以上口論する気はないし、
友人だってこんな夜遅くに僕を呼んで、申し訳ないと思っていることも理解できる。
  
隣り合わせで酒を飲むというのは、なんとも変な感じがする。
僕はたいてい相手の目を見て話をするのだが、
この場合、相手の目を見るには、首を90度傾けなければならない。
彼女でもない友人に、隣合わせで、目を見ながら話をするのは、
なんとも、くすぐったい。
   
そういえば、3年前、このバーで、嫌な思い出を作った。
   
あれはまだ、看護学校に行っていた頃だった。
「彼氏と別れたいのだけど・・・」
退屈な講義をゲームボーイをしながら終えて、やっと休憩時間だ、と背筋を伸ばしていると、
クラスメイトの女性から声を掛けられた。
「そうですか、そりゃご愁傷様」
僕は一時期、他人に対して、ものすごく応対が冷たい時があった。
人と話す事が面倒臭くて、学校ではいつも小説を読んでいるか、ゲームボーイをしていた。
友人は親友が2人いればそれで十分だったし、彼女も欲しいとは思わなかった。
   
そのクラスメイトは、この時期の僕の性格を、大いに利用しようとした。
そしてそれは大成功に終わった。
  
僕は、その夜、その友人にこのバーに呼ばれて、
その友人は、僕の隣に座って、
   
僕の前には、友人の彼氏が両手を小刻みに震わせて座っていた。
  
そして僕は「別れさせ屋」を演じることになる。
首をを90度傾けて、彼女でもない友人の目を見ながら。
煙草3箱の報酬の為に。

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