2001年03月19日(月)  後輩思い思われ刺し刺され。(前編)
後輩がめでたく准看護士の資格を取ったので
今日は注射の練習。患者さんにうつ前に試しうちをしなければならない。

「がんばりますよ。僕は」

気合満々の後輩。心意気はよし。

「がんばれ、がんばれ、最初が肝心よ」
「慣れてしまえば簡単なものよ」

素敵なエールを送る看護婦さん達。

私はそんな会話を聞きながら一人カルテと向き合って仕事をしていた。

「よぉし。じゃ、誰かお願いします」

 ・・・・・・・・・・・・・・・

「誰か、お願いします」

 ・・・・・・・・・・・・・・・

後輩の声しかしない。カルテからふと顔を上げる。
看護婦さんならびに後輩の目が一斉に私に注がれている。
まさか・・・!?

「お願いします」

すかさず私は先程まで素敵なエールを送っていた看護婦さん達に
救いの目を差し伸べる。ってもういない。
あっという間にみなさん消えてしまったようで。
これってマジックなのかしら。引田天功?みたいな。

「お願いします」

後輩が懇願する。深い深い溜息をつく。それを吸ってもう一度深い溜息をつく。

「よし。やってみなさいな」

どこの言葉かわからない言葉を発する。後輩よりも早く緊張している。

長くなりそうなので続く。

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