| 2003年05月22日(木) |
年次総会を開催しました (まじまじ) |
19日に15年度の年次総会を開催しました。その記念事業として、 大阪市西成区にある「子どもの里」の荘保共子さんをお招きし、 NHKで放映された子どもの里のビデオ上映と、荘保さんと わさわさによる対談を行いました。
西成区釜ケ崎は日本最大規模のドヤ街といわれており、 多くの野宿労働者が生活しています。そんな中、釜ケ崎で暮らす 子ども達の遊び場はほとんどありませんでした。子ども達に 遊びが必要、と、1978年に学童保育の場として「子どもの広場」が 始められました。 その後、子ども達の遊び場としてだけでなく、子ども達の生活相談も 受けるようになり、緊急避難や一時宿泊もできる「こどもの里」として 再出発しました。現在は、10人の子ども達が生活をともにしています。
ビデオでは、病気のお父さんをもつ女の子、お母さんを支え 弟と妹を引き取っていこうとするお兄ちゃん、お父さんと 暮らすことを悩みながらも選んでいく少年など、子どもの里で生活し、 そこから出て行く子ども達が描かれています。荘保さんは「子どもと 親との間をとりもっていく」という役割に徹し、子ども達は親元に 帰っていきます。 子ども達が病気のお父さんを支えたり、アルコール中毒だったお母さんを 叱咤激励する姿もあり、事前にビデオを見た時には、そのがんばりに 「むうううう」とうなってしまいました。 同時に、こどもたちのエネルギーあふれる顔がとても印象的でした。
荘保さんのお話では、どんな親であっても、子どもはみんな 親元に帰っていくそうです。子どもはみんな親思いです。 荘保さんは生活の中で、一日に1回は必ず親のことを話題に のぼらせることを心がけているのだそうです。
私はまだ釜ケ崎に出かけたことがないので、釜ケ崎のことについては よくわかりませんでした。漠然と大人が出稼ぎなど仕事の関係で 一時的にとどまっているところなのではないかと思ってきました。 勘違いで、恥ずかしいのですが、子どもはいない街では ないかとさえ思っていたのです。
釜ケ崎で育ったことを揶揄され、ひどく傷つく子もあります。 街で暮らすと、大人のいやなところ、汚いところにも 触れますが、同時に大人の優しいところに出くわす 場面もあるそうです。 「釜ケ崎の誇りにするところは誇りにし、捨てるところは捨てたら いい。私たちはその手助けをする」と言われていました。
児童福祉の問題に立ち会っていると、(やってはいけないと知りつつ) 親を批難する気持ちを持ってしまいがちだと思います。 なんで、ほったらかしにするのか、叩くのか、こどものために 生活を立て直せないのか、とそんなふうに思いがちです。 それでも、子どもたちが親のことを想っているかぎり、悪く いってはいけないのだと、改めて思いました。 (おそらく施設の先生方も苦労されているところだと思います)
子どもは、愛されて保護されるべきで、苦労なんかしなくていい、と 思ってきましたが、そうばかりではないのかもしれない、と 総会が終わった後、ずっと思案中です。当分、考え続けることに なりそうですが・・。
総会は盛況で事前の申し込みは130人を超え、100人定員の 会場に補助椅子を運び入れるほどになりました。
総会に参加されなかった会員の方々には、年刊誌「育てる」に 対談の内容を掲載しますので(8月頃の発行です)どうぞお楽しみに。
こどもの里も協会同様、財政難だそうです。 「こどもの里ともの会」では後援会員や維持会員を募っておられます。 ご関心のある方は協会まで、お問い合わせください。
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