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2005年09月26日(月)

こんな夢を見た。
で始まる漱石の「夢十夜」は好き。特に最初の白い花の話はうつくしい。

だからというわけじゃないが、今朝見た夢が印象的だったので書きとめておく。

私は小学校高学年くらいの男の子で、祖父は死んでいる。(実際の祖父ももう亡くなっているが)。山の中の広めの池が水が干上がりかけている。その池は代々守ってきたもので、水がなくなるのは縁起が良くない。祖父の供養の為にも水を足さなくてはいけない。私は干上がりかけて現われた池の底のに下りて足跡をつけたりしてたしなめられる。私は水をくんでくるように言われ山に向かう。やっぱりおまえだけじゃ不安だから従兄弟と兄をつけてやると後ろのほうで父が言う声がするが、私は信用されず頼りにされてないことが気に障り悔しくてならない。追いついてくる前に走り出す。山の渓流に沿って上流に向かえば水を汲めるところがあると聞いていたが、夢の中の私は一目散に山道を走り、それは川の下流に向かっている(夢の中の私も、夢を見ている私もそのときは気付かない)。走りに走っていると、妙な街に出る。黄土色のフィルターレンズをかけたように空気が染まって見える。標識を読むと、地区の名は西の音と書いて「にしね」という。古い蔵の前に男の子と女の子が唐突にいて私は驚く。男と子と女の子は何か話していなくなってしまった。私は少し歩いて、川を見おろす(もう川は河口近くでゆるやかで広い流れになっている。川べりは古いレンガばりになっていて、幅は20メートルくらい、水面から壁の上までは4・5メートルくらいある)。私は下流に向かって走ってきたのだと気付き、(なぜか)川を泳いで上流へと戻ろうとする。川の壁面には風変わりな彩色がされていたり、不気味な絵が描かれている。その街の建物もそんな感じだった。川の中には藻がただよっているらしく私は腰のあたりにそれが絡みつくのを嫌いながらも上をめざす。途中で女物の等身大の人形が流れに引っかかっている。私はその手をとってなぜか子細に見た。人形の手だった。次第に川は山の中に入り、沢の音がして水も透明になり、流れも早くなりだした。私はそこで川からあがったのだろう、意識が薄くなるところに従兄弟や兄が「こっちに来てたのか」と探しに向かってくるのを感じる。私は気がつくと実家の二階の部屋に寝ている。父も心配して横にいる。祖父もいる。夢の中の私は不思議に思わない。−このあたりで夢を見ている私は、これは夢だな、なんて思って目が覚めかけている。祖父はいつの間にか消えたりしていて、あれ、祖父って死んだ設定じゃなかったっけ、なんて思ってもう夢のストーリーには戻れなかった。−それにしても、あの西音という街は不思議だった。