窓のそと(Diary by 久野那美)

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2002年03月16日(土) 春のできごと

春の「できごと」はわかりやすい。
それに、具体的で華やかだ。
目の前で。
何かがたしかになくなってしまったり、新しくやってきたりする。
だからそれを見ながら見送りながら、びっくりしたり、ショックだったりよろこんだり悲しんだりできる。

中にはものすごく「意外な」ものもあるはずで、
だからこその反応の大きさなんだけど、でも、なんだけど、
なぜだか、どこかで実は、ほんとうは、前から知っていたことのような気もする。
ほんとうに思いがけないことが目の前で起きたとき、それにちゃんと立ち会うことは難しい。きっと何かを見過ごしてしまうし、気づいたときにはすっかり終わってしまっていたりする。

だから、きっとそうではなくて。
それはきっと、必ず「いつか突然」に、起こるはずのできごとだったのだ。
そしてそれが今なのだ。

通りすぎるまでに「さようなら」が言えるのは、そういうときのような気がする。
春はそういうことのための季節のような気がする。


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