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窓のそと(Diary by 久野那美)
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子供のころ。 童謡がむちゃくちゃ怖かった。 あの感覚。今でもはっきり覚えている。
みんなあたりまえに口にするけど、そんな場所実は誰も知らない。 いつも一緒に遊んでるけど、その子のこと、実は何も知らない。 そんなものばっかりで作られた世界。
そのときそこに在ること以外に何もできない世界。 どこで出会ったのかも覚えてない。 だけどみんながあたりまえのように知っている。
ああいうものは今でも怖い。 でもあこがれる。 そのときそこに在ること以外に何もできない世界。 誰が誰に勝ったって誰からも譲ってもらえない世界。 誰からも、いつもちょうどおんなじだけ遠くにある世界。
♪よいこの住んでるよい町 が いったいどこにあるのか。 ♪赤い靴履いてた女の子 は なんていう名前なのか。
今でもわからない。 あのとき知らなかったことは、今でもわからない。 どこからも、いつもちょうどおんなじだけ遠くにある世界。
だけどときどき。 私もそこに居るような気がするときがある。
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