聞こえよがしに悲嘆をさけぶ
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実は角が生えているのです。 まっすぐではなくて(それはもうひねくれていますから) 羊に生えているようなくるくると円を描く角です。
ときどき角の中で音がするのですが耳には聞こえません。 音がするというかただ角がざわめくような騒ぐような ときには音(のような感覚)だけでなく視覚的(なような感覚)な ものさえ角からすべりこんでくるような気がします。
動物の世界はこのようなものかともときどき思いますが ことのほか世界を美しく見ることができるわけでなく おそらくヒトにはつかむことの出来ないこの感覚が ときにはなんだか疎ましいようなそんな気持ちにもなるのです。
幸せなのは首をかしげて角を触っているときで 恋人に愛撫させるような真似は決してせず ひたすら己の指で角の描く回転をなぞるのです。 親愛なる我が角が内奥に巻かれているがごとく 一人自らへと分け入りその凹凸を辿れば 一段ごとに押し寄せる恍惚に目眩がし ぐるぐると回る視界に自らがまた歪むのを悟るのでした。
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