聞こえよがしに悲嘆をさけぶ

7枚綴り


2007年06月18日(月) 要はパンだ

実は角が生えているのです。
まっすぐではなくて(それはもうひねくれていますから)
羊に生えているようなくるくると円を描く角です。

ときどき角の中で音がするのですが耳には聞こえません。
音がするというかただ角がざわめくような騒ぐような
ときには音(のような感覚)だけでなく視覚的(なような感覚)な
ものさえ角からすべりこんでくるような気がします。

動物の世界はこのようなものかともときどき思いますが
ことのほか世界を美しく見ることができるわけでなく
おそらくヒトにはつかむことの出来ないこの感覚が
ときにはなんだか疎ましいようなそんな気持ちにもなるのです。

幸せなのは首をかしげて角を触っているときで
恋人に愛撫させるような真似は決してせず
ひたすら己の指で角の描く回転をなぞるのです。
親愛なる我が角が内奥に巻かれているがごとく
一人自らへと分け入りその凹凸を辿れば
一段ごとに押し寄せる恍惚に目眩がし
ぐるぐると回る視界に自らがまた歪むのを悟るのでした。


えのもと |MAIL